韓国個人情報保護委員会、グーグルとメタに課徴金1000億ウォン

韓国個人情報保護委員会、グーグルとメタに課徴金1000億ウォン

 韓国個人情報保護委員会は14日、ユーザーの同意なしに個人情報を収集し、広告表示に使用したグーグルとメタに合計で約1000億ウォン(約103億円)の課徴金を課した。グーグルは検索サイト大手、メタはソーシャルメディアのフェイスブックとインスタグラムを運営している。

 個人情報保護委は同日の全体会議で、個人情報保護法に違反したグーグルとメタにそれぞれ692億4100万ウォン、308億600万ウォンの課徴金を課すことを決定した。個人情報保護法違反による課徴金としては過去最高額となる。

 同委によると、グーグルとメタはユーザーの他のサイトでの履歴まで収集・分析し、広告表示に利用した。例えば、フェイスブックのユーザーがフェイスブックにログインした状態で、冬服を買うために衣料通販サイトで検索した場合、ユーザーの同意なしにその履歴を収集し、フェイスブック上で衣料の広告を集中的に表示していた。同委は「グーグルとメタがユーザーに対し、他のサイトでの履歴を収集・分析するという事実を明確に告知せず、事前に同意も得ていなかった」と指摘した。その上で、グーグルとメタに「ユーザーの他のサイトでの履歴を収集・利用するためには、利用者に事前に告知し、同意を得なければならない」とする是正命令を出した。

 同委による調査の結果、グーグルは2016年から約6年間、アカウント開設時に他のサイトでの履歴を収集・利用するという事実を明確に告知せず、デフォルトで「同意」に設定する手法を使った。メタも18年からユーザーに他のサイトの履歴を利用することを明確に告知していない。メタは7月、韓国のユーザーに他のサイトでの履歴情報の利用することに同意しなければサービスを制限すると表明したが、利用者の反発で撤回した経緯がある。

 このため、グーグルとメタのサービスを利用している韓国のユーザーのほとんどが、他のサイトでの履歴をグーグルとメタに提供していることが調査で判明した。それによると、グーグルでは82%以上、メタでは98%以上のユーザーが自分の情報を公開していた。同委関係者は「他のサイトやアプリで活動した情報が自動的に収集されるため、ユーザーはどんな情報が収集されるのか知ることもできない。利用者の健康や身体的特徴、思想など敏感な個人情報が流出し、プライバシーを深刻に侵害することが懸念される」と指摘した。

 グーグルとメタはこれに先立ち、欧州でも同様の違反行為で制裁を受けた。フランスは19年、グーグルがユーザーの同意なしに履歴情報に基づく広告を行ったとし、5000万ユーロ(約71億円)の課徴金処分を下した。ドイツは19年、メタに対して是正命令を出した。現在、グーグルは欧州でアカウント登録時に他のサイトでの履歴情報収集の可否とそれに基づく広告表示を認めるかどうかをユーザーが選択できるようにしている。

 今回の決定について、グーグルは「個人情報委の審議結果に深い遺憾を表明し、内容を細かく検討する」とした。 メタは「決定には同意できず、裁判所の判断を含む全ての可能性を残し、案件を詳細に検討する方針だ」と話した。

崔鍾錫(チェ・ジョンソク)記者、イ・ギウ記者

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