【鮮于鉦コラム】韓国保守系与党代表の身の処し方

 政治家に感動することがたまにある。2020年の済州道での光復節式典での元喜竜(ウォン・ヒリョン)前済州道知事の姿がそうだった。光復会関係者が李承晩(イ・スンマン)大統領と白善ヨプ(ペク・ソンヨプ)将軍を猛非難する金元雄(キム・ウォンウン)光復会長の毒舌原稿を記念演説として代読した。すると元喜竜知事は壇上でそれに反論した。

 「明らかに指摘せざるを得ない部分があります。偏った歴史観を記念演説だと言って代読させたことは非常に残念です。金日成(キム・イルソン)共産軍が大韓民国を共産化しようとやって来た時、命を懸けて国を守った軍人と国民がいます。中には日本軍で勤務した方もいます。歴史の前で私たちは功と過ちを謙虚に見るものです。一つだけが正しく、残りはすべて断罪されなければならないというように、歴史を浮き彫りにする見方には決して同意できません」

【写真】涙を拭う李俊錫(イ・ジュンソク)代表

 翌年、金会長は野党に対する露骨な呪いで発言をエスカレートさせた。過去の保守政権を「親日政権」と断じ、「彼らは大韓民国の法統が朝鮮総督府にあると信じている」と主張した。祝賀式の現場で文在寅大統領は沈黙した。味方側だからそれもあり得ると思う。しかし、野党代表は違う。演説は映像形式で行われた。元知事だったら放映中止を要求して抗議しただろう。退場しても構わなかった。政党代表が屈辱を受けても、それを座視していること自体がもう一つの屈辱だからだ。

 しかし、李俊錫(イ・ジュンソク)代表の反応はなかった。式典が終わると、文大統領夫妻にぺこりと挨拶して席を立った。当日の李代表を虜にしていたのは、野党内で起きたいわゆる「通話録音流出」を巡る攻防だったようだ。ソーシャルメディアなどを通じた李代表のこの日の発言は、大部分がそれに対する弁解だった。常に彼にとっては、外部からの攻撃よりも内部での攻撃がはるかに重大な問題なのだ。

 歴史的正当性、保守の価値といった言葉はつまらない。 元喜竜知事が「金日成共産軍…」と反論を始めた時、「ああ、またあの話だ」と背を向ける人も少なくなかっただろう。一般人はそれでもいい。しかし、党代表は違う。 「巨人の肩に乗る小人」という表現は歴史と伝統を重視する保守主義に対する比喩としても有名だ。李俊錫代表が強い発言権を持つ理由は、過去の保守政党の先輩たちによる偉大な業績があったためだ。李代表は彼らの肩の上に乗った小人に例えることができる。巨人が冒とくされたのに李代表は沈黙した。元喜竜知事の言葉のように「歴史の前で功と過ちを謙虚に見る姿勢」で「偏った歴史観を明確に指摘すること」が代表の義務だった。ところがそれを守らなかった。

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  • ▲昨年8月15日の光復節式典で、李俊錫・国民の力代表が金元雄・光復会長、文在寅大統領夫妻とともに万歳を叫んでいる。金会長は同日、映像を通じ、国民の力を親日政党として侮辱した。 /聯合ニュース
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