【コラム】激変する世界のサプライチェーン、韓国はいつまで後手に回るのか

 「ガソリン 1リットル6.78元(約139円)中国最安」

 国際原油価格が1バレル当たり100ドルを超え、高止まりを続けた7月初め。 中国山東省臨沂市のあるガソリンスタンドにそんな案内看板が掲げられた。中国での平均価格(9.05元)より25%以上安かったため、車が殺到した。当時の為替レートで韓国ウォンに換算すると1308ウォン、同時期の韓国でのガソリン小売価格が1リットル=2200ウォンだったのと比べると、ほぼ半値だ。山東省の港を通じ、欧州の制裁で輸出ができなくなったロシア産原油が安値で大量輸入され、それが近隣地域から供給されたおかげだった。

 国際決済システムから追放されたロシアはドルを受け取れない状況なのに、中国はどうやって原油の代金を支払ったのだろうか。陝西省の西安空港では今年6月、その秘密が分かる場面が繰り広げられた。小米(シャオミ)の最新スマートフォンを含む中国製のIT機器や消費財を積んだ貨物機がロシア第2の都市サンクトペテルブルクに向け離陸したのだ。日本経済新聞は「中国は人民元で原油代金を支払い、ロシアはそれで中国製品を輸入した」とし、「事実上の物々交換」だと伝えた。

 臨沂と西安での一幕は、米中対立とロシアのウクライナ侵攻以降に露骨化している中ロの経済蜜月関係「チャイシア(Chissia・ChinaとRussiaの合成語)」を象徴する。西欧は物価高騰に苦しみ、ロシア産ガスが切れた欧州は猛暑で冷房もまともに稼働できない中、中国とロシアは安価なエネルギーと工業製品を交換し、国際社会による制裁のハードルを迂回しているのだ。

 チャイシアの出現は、過去10年間のインフレなき成長を可能にした体制の崩壊とも一致している。世界的な投資銀行クレディスイスには最近のリポートで、それを「チャイメリカ(米中の経済的相互依存)とユーロシア(Eurussia・欧州とロシアの相互依存)の崩壊」という言葉で要約した。チャイメリカとユーロシアは、全世界に低物価の好況をもたらした地経学的基盤だった。中国の安い部品や素材と豊富な労働力を利用して稼働してきた世界のサプライチェーンを生かし、米国はインフレを心配せずに思う存分量的緩和を行ってきたし、ドイツが主導する欧州はロシアの安いエネルギーのおかげでより容易に富を築くことができた。

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