サルモン北朝鮮人権報告官「中国に拘禁されている脱北者は2000人」

 国連のエリザベス・サルモン北朝鮮人権特別報告官が「中国の収監施設に拘禁されている脱北者は2000人に達する」と明らかにした。

 米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が16日に報じた内容によると、サルモン報告官は今月15日(現地時間)にワシントンで開催された第18回北朝鮮自由移住民の人権のための国際議員連盟(IPCNKR)総会で遠隔で演説し、海外の脱北者の現状について説明した。

 国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは昨年7月「中国は1170人の脱北者を刑務所など複数の施設で拘禁している」と明らかにした。北朝鮮の内部事情に詳しい中国の消息筋は「過去1年間にコロナの影響で身を隠していた数百人の脱北者が新たに中国公安(警察)に逮捕されたと聞いている」「中国の東北三省で複数の拘禁施設に収監された脱北者はコロナが収まれば北朝鮮に送り返される危険性が高い」と伝えた。

 サルモン報告官は「一部の脱北者は(中国以外の)他国で北朝鮮の公館に抑留されており、北朝鮮に送り返されるリスクに直面している」「彼らは送還されると過酷な処罰や拷問、不当な待遇を受ける可能性が非常に高い」と指摘した。ロシアの北朝鮮公館にも脱北者が抑留されているという。

 サルモン報告官は北朝鮮当局による過度なコロナ対策の結果、市場に生活の基盤を置く女性たちが圧力を受けている現状にも懸念を示した。サルモン報告官は「北朝鮮が突然外に向けて体制を開放することはないだろうが、小さな一歩を踏みだす機会の窓は開かれているはずだ」「国際社会の連帯を通じ、北朝鮮住民の人権を守るため努力を続けるべきだ」と訴えた。

 サルモン報告官はペルー出身の国際法学者で、前任のキンタナ報告官の後任として先月から任期が始まった。先月29日から今月3日まで韓国に滞在し、韓国統一部(省に相当、以下同じ)の権寧世(クォン・ヨンセ)長官、外交部の朴振(パク・チン)長官、元韓国軍捕虜、拉致被害者、西海で北朝鮮軍に殺害された公務員の遺族、北朝鮮人権団体の関係者などと面会し、北朝鮮の人権問題について意見を交換した。

キム・ミョンソン記者

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  • ▲ソウル市鍾路区の韓国外交部庁舎で記念撮影を行う国連のエリザベス・シルビア・サルモン・カラテ北朝鮮人権特別報告官、朴振・外交部長官、李信和・北朝鮮人権国際協力大使。/ニューシス

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