脱北漁師強制送還疑惑、金錬鉄元統一相から事情聴取

検察が北朝鮮漁師強制送還問題で初めて閣僚級を聴取

脱北漁師強制送還疑惑、金錬鉄元統一相から事情聴取

 「亡命漁師強制送還疑惑」を捜査中のソウル中央地検公共捜査3部(イ・ジュンボム部長)は20日、金錬鉄(キム・ヨンチョル)元韓国統一部(省に相当)長官を出頭させ取り調べを行ったことを明らかにした。検察がこの事件と関連して閣僚級だった人物から聴取を行うのはこれが初めてだ。

 金元長官は2019年11月、当時亡命を求めた北朝鮮漁師2人の強制送還について報告を受け、2人の送還を決定・指示する立場にあった。金元長官は送還翌日の2019年11月8日、国会で「(亡命漁師らは)尋問の際に『死んでも帰りたい』と明らかに述べた」と証言した。ところが漁師らは政府による合同調査団と統一部に提出した「保護申請書」「自己紹介書」に「大韓民国で生活したい」と自筆で記載していたという。金元長官が証言した「死んでも」という言葉は、漁師らが北朝鮮の金策港に戻る際に口にしたことはあるが、金策港を出港して韓国に来る際には「南韓に行かねばならないと考えた」と陳述したという。

 金元長官は送還から2週間後に米ロサンゼルスで開催された懇談会直後、記者団から「強制送還の決定は誰が下したのか」との質問を受け、これに「当然外交・安保に関しては(大統領が)報告を受けてやること」と述べた。金元長官は鄭義溶(チョン・ウィヨン)元青瓦台(韓国大統領府)国家安保室長、徐薫(ソ・フン)元国家情報院長らと共に職権乱用などの容疑で今年7月に市民団体から検察に告発された。検察は金元長官らに対し強制送還や発言の経緯などについて事情を聞いたという。

 検察はこの日午前には金峻煥(キム・ジュンファン)元国家情報院第3次長も出頭させ聴取を行った。金元次長は送還に先立ち、「漁師らに対する合同調査を早期に強制的に終わらせるよう指示した」として職権乱用などの容疑で今年7月に徐元院長らと共に国家情報院から告発された。国家情報院の告発状は徐元院長について「金元次長らを通じて国家情報院による合同調査報告書を統一部に提出する際、当初記載されていた『(同僚の船員を殺害した疑惑に対する)強制捜査が必要』『帰順(亡命)』などを削除し、『対共(スパイ)容疑なし』などと勝手に記載した疑いがある」と指摘している。法律に詳しい専門家などからは「鄭義溶・徐薫など文在寅(ムン・ジェイン)前政権の外交・安全保障政策担当者ら『最上層部』に対する捜査だけが残った」などの声が相次いでいる。

ソン・ウォンヒョン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 脱北漁師強制送還疑惑、金錬鉄元統一相から事情聴取

right

あわせて読みたい