■国内外でブランド認知度高める戦略
中国企業が世界的なスポーツ大会の後援に先を争うのは、中国国内でそうしたスポーツに対する人気が高いためだ。英BBCによると、英プレミアリーグの名門チーム、アーセナルFCは中国に2億人のサポーターがいる。英国の総人口(約6840万人)の約3倍だ。中国人サポーターも韓国の海外サッカーファンのようにさまざまなチャンネルで現地の試合を見るため、彼らを狙った中国企業の広告がますます増えているのだ。
また、中国のテクノロジー企業が世界市場拡大に向け、ブランド認知度を高めるための戦略でもある。2000年代にサムスン電子が英プレミアリーグのチェルシー、LG電子がアーセナルとフラムを後援し、認知度を高めたが、それをベンチマーキングした格好だ。
実際に中国企業の世界シェアは着実に高まっている。市場調査会社カウンターポイントリサーチによると、今年第1四半期の欧州スマートフォン市場でのシェアは、サムスン電子とアップルで60%を占めたが、3-5位は小米、OPPO、リアルミーという中国企業だ。3社のシェアを合計すると24%で、アップル(25%)とほぼ同じ水準になる。
今年上半期の世界のテレビ市場でも、1、2位のサムスン電子とLG電子に続き、TCLとハイセンスがそれぞれシェア8.7%、8.2%で3、4位に入った。業界では2-3年以内にTCLのテレビ出荷台数がLG電子を抜き去るという見方も出ている。
英BBCは昨年、ユーロ2020での中国のテクノロジー企業による後援を取り上げた報道で、「内需市場に限界を感じた中国企業にとって、欧州はますます重要な市場になっている」と指摘した。
イ・ギウ記者