文在寅(ムン・ジェイン)政権の5年間で廃棄された備蓄農産物の量が合計およそ5万3000トンに上り、朴槿恵(パク・クンヘ)政権時代より8倍も増えたことが明らかになった。韓国政府は「農水産物流通・価格安定法」に基づき、毎年ハクサイ・タマネギ・トウガラシ・ニンニクなど8品目の農産物(コメを除く)を買い入れて保管している。価格が上昇したら備蓄分を放出するが、保管期間が過ぎたら廃棄しなければならない。韓国の保守系与党「国民の力」は「文政権が需要・供給予測に失敗し、備蓄農産物をごみにした」と批判した。
「国民の力」所属の安炳吉(アン・ビョンギル)議員が25日に韓国農水産食品流通公社(aT)から受け取った資料によると、文在寅政権の5年間で捨てられた備蓄農産物は合計5万3679トン。これは、朴槿恵政権時代の廃棄量6917トンより7.8倍も多い。品目別で見るとタマネギが1万8427トンで最も多かった。次いでハクサイ1万4774トン、ダイコン1万4279トン、ニンニク5215トン、ジャガイモ895トン、緑豆86トン、ゴマ3トンの順だった。朴槿恵政権時代はダイコン4272トン、ハクサイ2645トンを捨てたのが全てだった。
文在寅政権が農産物廃棄に使った費用も、合計105億3000万ウォン(現在のレートで約10億6300万円。以下同じ)に達した。朴槿恵政権時代の8億7700万ウォン(約8900万円)より12倍も多いのだ。ハクサイ、ダイコン、ジャガイモなど、捨てた品目の保管期間は大部分が8カ月以下だった。廃棄された農産物は、主に堆肥として使用された。コメは保管期間が5年で、保管期間が過ぎても酒の原料などとして使用されるので廃棄の対象ではない。aT関係者は「前政権の5年間は価格安定のため農産物を放出するという状況がまれにしか発生しなかったため、廃棄量が以前よりも増えた」と語った。
安炳吉議員は「最近、民主党が『食糧安保』を掲げて余分なコメの義務購入(糧穀管理法)などを押し付けているが、肝心の文在寅政権時代には備蓄農産物に対する不十分な管理・監督で廃棄量が激増した」「前政権で捨てられたおよそ5万3000トンは、韓国政府が税金で買い上げるだけで数百億ウォン(100億ウォン=約10億1000万円)かかったと推定される」として「食糧を買い入れることにばかり没頭するのではなく、需給を正確に把握して農民が他の品目を栽培できるように誘導することの方が望ましい」と語った。「国民の力」の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)非常対策委員長は同日、高官級の党・政府協議会で、野党が推進する糧穀管理法について「ポピュリズムであって扇動的」と批判した。
キム・スンジェ記者