「英雄」西部軍管区の司令官も解任…押され気味のロシア軍、野戦指揮官4人目交代

 ウクライナ軍に手こずり、押され気味のロシア軍が「司令官交代」という強硬手段に出た。野戦指揮官交代は今年2月の開戦以降、確認されたものだけでも既に4人目だが、相次ぐ敗北の原因が深刻な補給悪化と士気低下によるものであることから、指揮官を交代してもこれといった効果が出ないとの見方がある。

 ロシアのニュース専門チャンネルRBCは3日(現地時間)、「ロシア国防省はアレクサンダー・ズラブリョフ西部軍司令官(上将・中将と大将の間の階級)を解任し、後任としてロマン・ベルドニコフ中将を任命した」と報じた。ズラブリョフ上将は2016年にロシアのシリア駐屯軍を見事に指揮して「ロシア連邦英雄」称号を贈られた人物だ。ロシア東部軍司令官を経て、2018年からウクライナ国境に接した西部軍司令官を務め、今回のウクライナ侵攻を現場で指揮してきた。独メディアのメルクーアは「戦線が膠着(こうちゃく)状態に陥った6月末から更迭説が相次いでいた」と、同司令官が最近不利になっている戦況の責任を取って交代させられた可能性を示唆した。ロシア軍は先月、ウクライナ北東部のハルキウ州で敗退し、最近は東部ドンバスの要衝リマンをウクライナ軍に奪われた。南部戦線でも相次いで後退を重ねている。

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 今年6月にはドンバス占領が遅れたという理由でウクライナ戦争総司令官アレクサンドル・ドボルニコフ大将がゲンナジー・ジドコ軍政治総局長に電撃交代された。ドボルニコフ大将は2015年、シリア内戦に派兵されたロシア軍の初代司令官を務め、主要都市に対する「焦土化作戦」で「シリアの屠殺(とさつ)者」という悪名が付けられた。ロシア国防省は8月、クリミア半島にある空軍基地がウクライナのミサイルやドローン攻撃で大きな被害を出すや、同地域の防空責任者を務める黒海艦隊司令官イゴール・オシポフ提督(上将)を解任し、後任としてビクトル・ソコロフ中将を任命した。

 しかし、指揮官の交代だけで戦況を変えるのは難しいという見方が多い。英国防省国防情報局は「戦争の長期化・補給と兵力不足・占領地内での抵抗などにより、ロシア軍の士気は大幅に下がり、降伏と脱営が続出している」として、戦闘力の回復は容易でないとの見方を示した。米戦争研究所(ISW)も「戦争の長期化と経済制裁でロシアの武器の在庫は底を突いている」と不利な状況を指摘した。

パリ=チョン・チョルファン特派員

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