【独自】韓国国立現代美術館屋上の太陽光パネル、設置費用の回収だけで430年

文化体育観光部傘下24カ所の経済性分析…文政権時に設置強行

 2013年ソウル三清洞に開館した「国立現代美術館ソウル館」屋上に設置された太陽光設備が発電効率低下と管理・保守費発生により、設置費用回収だけで430年かかることが分かった。朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長時代の2012年、同市が「原発を一つ減らす」などとして再生可能エネルギー拡大政策を繰り広げ、公共建築物を対象に設置した太陽光発電設備の一つだ。脱原発を推し進めた文在寅(ムン・ジェイン)政権時に設置された公共建築物の太陽光設備のうち、相当数がパネルの寿命中に設置費用の回収が難しいことが調査で分かった。こうした太陽光設備は経済性が分析されずに容量を増やすことばかり焦って設置されたケースが多いだけでなく、時間が経つにつれて効率が落ち、廃パネル処理費用も発生するため、無用の長物になる可能性が高い。

 与党・国民の力の金承洙(キム・スンス)議員が文化体育観光部から5日に受け取った資料によると、全国の文化体育観光部所管機関に設置された太陽光設備のうち、稼働日数が1年に満たないものを除いた24施設を対象に経済性分析が行われた。その結果、設置費用を回収するのに平均44年かかることが分かったという。パネルの平均寿命である30年以内に設置費用を回収できる公共建築物は5カ所に過ぎなかった。これらの太陽光設備設置に投入された予算は計89億4140万ウォン(約9億2000万円)だ。生産された電気は独自に使うが、発電量を考慮すれば年平均2億272万ウォン(約2100万円)程度の電気料金節約効果がある。金承洙議員は「毎年同程度の電気を生産して電気料を節約すると仮定すると、89億ウォンを回収するのに44年かかる」と言った。

 予想される設置費用回収期間は国立現代美術館(430年)が最も長かった。次いで大韓障害者体育会利川選手村総合体育棟(215年)と教育棟(138年)、大韓民国歴史博物館(108年)、韓国文化芸術委員会(89年)、国民体育振興公団(88年)の順だった。文政権時に設置され、1年以上運営された太陽光発電設備11カ所のうち、2020年に設置された4カ所はいくら太陽光で電気料を節約しても設置費用を回収できないとの分析結果が出た。文政権は2020年9月、新再生可能エネルギー法施行令で、政府・公共機関施設に一定割合以上の新再生可能エネルギー設備の設置を義務付ける割合を最大40%まで引き上げ、政府・公共機関に太陽光パネル設置を督励している。

パク・サンヒョン記者

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  • ▲ソウル市鍾路区三清洞の国立現代美術館ソウル館屋上に2013年に設置され、運営中の太陽光発電施設。写真=国立現代美術館

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