【10月18日付社説】世論調査にかこつけた世論操作が横行、金於俊氏も世論調査会社を設立

 このところ韓国で、未登録の世論調査会社が審議・検証も受けないまま常識外れの調査を行い、論争を引き起こしている。この業者は、光州地域のテレビ局の依頼を受けて「大統領弾劾」への賛否を問う調査を行った。大統領弾劾は深刻な違法の事実が判明したときに可能なことであって、もとより世論調査の対象にはなり得ない問題だ。ところが「弾劾に共感する」という回答が53%だと発表した。60代でも賛成意見が46%あったという。住宅価格の暴騰や賃貸大乱をもたらした文在寅(ムン・ジェイン)政権の方が、住宅価格を下落傾向に導いた尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権よりも不動産政策がうまい、とする回答結果もあった。常識では納得し難い内容だ。

 この調査会社は、韓国選管委傘下の中央選挙世論調査審議委(世審委)に登録すらしていない新参の業者だ。電話面接や自動回答調査システムを備え、世論調査の専門家を擁し、調査実績があって初めて世審委に登録ができる。調査のたびに標本選定や調査方式、質問表や回答率などを世審委に提出し、管理・監督を受けなければならない。ところが、登録も検証も受けない業者が「大統領弾劾」のような設問内容で調査を行い、発表したのだ。この調査結果が出ると、野党の一部議員が尹大統領弾劾を主張した。政治的意図を持って調査を行ったのではないか、という疑いを抱かざるを得ない。

 大統領選挙・総選挙・地方選挙の候補や政党の支持率でさえなければ、いかに資格を有さない業者であろうとも政治問題を思いのまま調査・発表することができる。監督・審議はもちろん、制裁も受けない。でたらめ調査で公然と世論操作をしても、防ぐ方法がない。こうした法的な盲点を利用して、でたらめ調査機関が誘導質問をしたり回答結果や年齢層に手を加えたりすることもあった。特定候補を持ち上げてカネを受け取ることもあった。最近では、偏向報道論争を引き起こしてきた金於俊(キム・オジュン)氏まで自ら世論調査会社を立てた。有料会員募集方式で毎週政治・企画調査を行って公開するという。世論調査にかこつけた世論操作と民心歪曲(わいきょく)は、一層ひどくなりそうに思える。

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  • ▲金於俊氏/写真=TBS

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