【10月28日付社説】韓国KBSに偽情報を流して誤報を出させた「親文検事」申成植

 2020年7月、韓国の公共放送KBSは「検察が確保した録音記録に韓東勲(ハン・ドンフン)検事長(現法務部長官)とイ・ドンジェ元チャンネルA記者が柳時敏(ユ・シミン)氏に関する疑惑提起を共謀する会話がある」という誤報を出し、訂正の上謝罪したことがあった。この誤報の経緯が明らかになった。当時、ソウル中央地検の申成植(シン・ソンシク)第3次長がKBSに虚偽情報を流した事実を一部認めたからだ。申氏は当初否定を続けたが、最近検察がKBS記者の携帯電話などから確保した証拠を示すと、容疑を認めたという。検事と呼ぶことすら恥ずかしい。

 問題の事件は、韓国MBCが先に報じたいわゆる「チャンネルA事件」を巡るものだ。チャンネルA記者が韓検事長と組み、金融詐欺事件で起訴された人物に「柳時敏氏の不正」について供述を強要したという内容だ。当時の与党と与党寄りのメディア団体はそれを「検察・メディア癒着」として追及した。秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官は「証拠があふれている」として、尹錫悦(ユン・ソンニョル)検察総長の捜査指揮権を剥奪し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の大学の後輩である李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長に捜査を任せた。しかし、事件は最初から実体がないものだった。韓検事長の起訴もできず、チャンネルA記者は一審で無罪が言い渡された。政権と検察、政権寄りの放送局が当時の尹錫悦検察総長、韓検事長を攻撃するため、事実上事件をでっち上げたのだ。

 その過程で検察では理解し難いことが起きた。KBSの誤報から1カ月後、申成植第3次長が大検察庁反腐敗部長にスピード昇進した。申氏は告発されたが、ソウル南部地検の政権寄りの検事らは2年間、事実上事件をもみ消した。ようやく事件の実体が明らかになったのだ。当時、韓検事長を嫌疑なしとした検事は左遷され、韓検事長を捜査過程で暴行した検事は起訴されたにもかかわらず昇進した。文在寅政権時代に検察で起きたこの非道な行為は全貌を明らかにすべきで、責任者全員はそれなりの処罰を受けなければならない。

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