韓国で路線拡大を続ける自動運転タクシー・バス

ソウル市の清渓川や上岩洞など全国14カ所に運行拡大

 9月29日、ソウル市麻浦区上岩洞のデジタル・メディア・シティー駅前にある「ソウル自動運転車」の停留所を訪れた。近くを回っている有料の自動運転タクシーとバスの計6台(7台のうち1台は点検中)の位置が、モニターにリアルタイムに表示された。呼び出しアプリである「タブ(TAP)」を開いて乗降位置を入力し、10人乗りのソラティバスを選択すると、スマートフォンの画面に「搭乗予定時刻」と座席番号(2D)が記された搭乗券が表示された。10分後、ソウル大学自動運転研究所の研究陣が設立した業者(SUM)が運営するバスが目の前に現れた。今はまだ決められた区間だけを運行しているが、距離と関係なくタクシーは2000ウォン(約206円)、バスは1200ウォン(約123円)の運賃が請求される。

 バス内部の大型モニターには周辺の状況とともに信号機の色情報、次の信号までの待機時間が秒単位で表示される。自動運転車が悪天候でも安定して走行できるよう、ソウル市が交通情報を0.1秒単位で提供しているためだ。安全担当として助手席に搭乗したSUM自動運転運営チームでチーム長を務めるパク・サンウク氏は「基本的には呼び出されてから動くため、乗客の需要に応じて運営している」という。

 海外からのニュースと実験室の中だけの話と思われてきた自動運転タクシー・バスが、われわれの周囲に近づきつつある。ソウル市の場合、一般市民がお金を支払って自動運転の交通手段が利用できるのは上岩だけだったが、今では急速に広がっている。9月26日、ソウル市清渓川で自動運転スタートアップ(新興企業)の「42dot」が特殊製作した未来型デザインの自動運転バスが試験運行を開始した。年内には青瓦台(旧大統領府)近くでも、2台の自動運転バスが青瓦台への訪問客を無料で運ぶ予定だ。ソウル市は来年中に弘益大学-興仁之門(東大門)区間を走る深夜の自動運転バスも導入する計画だ。京畿道でも9月29日、板橋で現代自動車製の自動運転バスが試験運行を始めた。

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  • ▲9月29日、ソウル市麻浦区上岩洞のバス停に到着した10人乗り(乗客基準)の自動運転バス。料金は1200ウォンでスマートフォンのアプリでコールし、搭乗できる。/ナム・ガンホ記者

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