【NEWSIS】ソウルの繁華街・梨泰院で先月29日に起きた雑踏事故に関連し、現場の映像を見たことによるトラウマ(心的外傷)が、忠清北道地域の人々にまで広がっているようだ。
悲劇の現場にいたわけではないが、事故発生の初期からSNS(交流サイト)などで現場の映像を目にしているせいで、精神的につらいと訴える人が忠清北道でも増えているのだ。
1日午前、忠清北道庁の新館1階に設けられた事故犠牲者の合同焼香所を訪れたオさん(48)は「事故現場の映像を見て以来、事故の場面が頭から離れず、記事をまともに読むこともできなかった」「子どもを持つ親として、他人事とは思えずつらい」と話した。
忠清北道清州市に住むAさん(30)=女性=も「ニュースで事故を知って以来、その場面が生々しく思い出され、気分がすぐれず憂うつな気持ちになる」「ショックから抜け出せず、心がザワザワして一日中元気が出ない」と打ち明けた。
忠清北道地域の母親たちが交流するコミュニティーサイトには、事故発生翌日の先月30日から、精神的なつらさを訴える書き込みが多数寄せられた。
書き込みの大半は「現場の写真や映像を見て、非常にショックを受けた」「恐ろしい場面が忘れられず、眠れない」などの内容だった。
この日、大韓赤十字社の忠清北道支社が運営する災難(災害)心理回復支援センターにもカウンセリングの申し込みがあった。
専門家らは、事故を実際に経験していなくても、事故現場を目撃したりSNSやコミュニティーサイトなどで写真や映像を目にしたりした場合、誰もが心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされる可能性があると指摘する。
忠清北道に住む精神健康医学科専門医は「事故現場などに関するニュースを頻繁に見ていると、極度のストレスやトラウマに悩まされる可能性がある」として「つらい写真や映像などをなるべく見ないようにして、独りでいるよりも家族や友人、知人などと過ごして乗り越えたほうがいい」と助言した。
その上で「衝撃的な場面を目にしたときに起きる震えや不安などの症状は、精神的な反応だ」「ただし時間がたっても日常生活に支障を来すようなら必ず専門医に相談するべき」と強調した。
チョ・ソンヒョン記者