ソウル市内の繁華街・梨泰院(イテウォン)でハロウィーンが近い10月29日に発生した雑踏事故と関連して、李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官をはじめとする政府当局者らが11月1日、一斉に謝罪した。同日行われた国会行政安全委員会の全体会議に李祥敏長官、尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長、南華栄(ナム・ファヨン)消防庁長職務代理が出席して謝罪し、呉世勲(オ・セフン)ソウル市長と朴熙英(パク・ヒヨン)同市竜山区長も謝罪した。野党は「いまさら謝罪するとは」と批判した。
国会行政安全委員会は同日、李祥敏長官と尹熙根警察庁長、南華栄消防庁長職務代理から梨泰院雑踏事故に関する緊急懸案報告を受けた。李祥敏長官は「国は国民の安全に無限の責任があるのにもかかわらず、今回の事故が発生したことに対して国民の安全を担う主務部処(省庁)の長官として、国民の皆様に深くおわびする」と頭を下げた。白いマスクをしてきた李祥敏長官は、懸案報告開始前に黒いマスクに付け変えた。
李祥敏長官は先月30日の記者会見で、「警察官と消防官をあらかじめ配置して解決できる問題ではなかった」と発言して物議を醸したことも謝罪した。同長官は「大切な家族を失ったご遺族と悲しみの中にいる国民の気持ちに思いが及ばなかった」「あらためて深い哀悼の意を表す」と言った。南消防庁長職務代理も「初期に多くの死傷者が発生したが、救助および救急隊員が絶対的に不足しており、現場対応は困難を極めた」「人命救助に最善を尽くしたが、多数の死傷者が発生したことに対して申し訳なく思う」と述べた。尹警察庁長は同日、警察庁で行われた記者会見で、「事故発生直前に現場の(状況の)深刻さを知らせる通報が多数寄せられたが、現場の対応が不十分だった」「国民の安全に対して無限の責任を負っていることをあらためて痛感している」と国民に対して謝罪した。その上で、同庁長は「後に最終結果が出たら、どの時点であれ、それ相応の身の処し方を決める」と言った。