対南脅迫作戦? 北朝鮮「蔚山沖に巡航ミサイル2発、戦闘機500機発進」

韓国軍合同参謀本部「事実とは異なる主張」

 北朝鮮は7日「今月2日に蔚山沖合の公海上に2発の巡航ミサイルを発射した」と主張した。当時、韓国空軍は北朝鮮軍による東海NLL(北方限界線)以南への弾道ミサイル挑発に対抗し、3発の空対地ミサイルをNLLの北側に向け発射したが、これに対して北朝鮮は再び東海の沖合に巡航ミサイルを撃ち込んだというのだ。北朝鮮側の発表について韓国軍合同参謀本部は「北朝鮮の主張は事実とは異なる」と反論した。北朝鮮が主張するように韓国の防空網は突破されていないということだ。実際に北朝鮮が主張する巡航ミサイルは韓国軍と米軍の探知システムに捕捉されていないという。

朝鮮中央通信が今年4月17日・11月7日に公開したミサイル写真の比較はこちら

 北朝鮮総参謀部は7日付の労働新聞で「敵ども(韓国軍)が空対地ミサイルでわれわれ(北朝鮮)側の公海上に対抗射撃という妄動を働いた」とした上で「咸鏡北道から590.5キロの射程距離で南朝鮮蔚山市沖合80キロ付近の公海に2発の巡航ミサイルで報復攻撃を行った」と主張した。その際に蔚山と日本の間の公海上の座標を示し、それを「ミサイルが落下した位置」と説明した。一方で韓国軍は北朝鮮が巡航ミサイルを発射したとは発表しなかったが、北朝鮮の主張が事実であれば韓国の防空網に大きな穴があいたことになる。

 これに対して韓国軍合同参謀本部は同日「韓米の監視偵察資産(兵器)の探知および分析結果によると、北朝鮮の主張は事実とは異なる」「今月2日に蔚山沖合に着弾した北朝鮮の巡航ミサイルは存在しない」と反論した。韓国軍関係者は「今月2日に北朝鮮が4回にわたり弾道ミサイルを発射し、100発以上の砲撃など数々の挑発を行ったことは確認したが、巡航ミサイルは発射そのものが探知されていない」と伝えた。しかし韓国軍の一部からは「巡航ミサイルは低空飛行が可能で、レーダーをかいくぐるのは簡単だ。そのため韓国軍が北朝鮮の巡航ミサイルを捕捉できなかった可能性もありそうだ」との見方も出ている。巡航ミサイルはドローンと同じく操縦が可能なケースもあるため、「東海上の遠方を飛び韓国側の公海に落下することもあり得る」との見方もある。

 北朝鮮軍総参謀部はこの日「蔚山沖合への攻撃」のほかにも「500機の戦闘機発進」「敵の作戦指揮システムをまひさせる弾道ミサイル発射」などを行ったと主張した。ただしいずれも韓国軍当局が把握した内容とは異なる。

 北朝鮮には500機の戦闘機を発進させる能力はなく、これに加え韓国軍は「北朝鮮で180回の飛行航跡が記録された」と明らかにした。発進した戦闘機よりも飛行航跡の方が少ないことはあり得ない。北朝鮮はさらに「火星15型」とみられる写真とともに「敵の作戦指揮システムをまひさせるミサイルを試験発射した」と主張しているが、韓国軍は「(北朝鮮は)火星17型を発射したが飛行に失敗した」と分析している。これと関連して安保部処(省庁)の関係者は「(北朝鮮)総参謀部の発表は北朝鮮住民が読む労働新聞に掲載されるもの」と説明している。「蔚山沖合への攻撃」「500機の戦闘機発進」などは北朝鮮住民に軍事力を誇示する意図があるというのだ。あるいは韓米の情報当局による分析をかく乱させるため、意図して誤った情報を流した可能性も考えられる。いわば「かく乱戦術」ということだ。

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  • ▲北朝鮮は7日、今月2-5日の4日間にわたり対南軍事作戦を行ったと発表した。/朝鮮中央通信・聯合ニュース
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