梨泰院雑踏事故:共に民主党「犠牲者のリスト・写真、あらゆる手段で確保せよ」と通達

 韓国野党・共に民主党から「梨泰院雑踏事故」の犠牲者全員の名簿と写真を公開し、追悼空間をつくるべきだという主張が出ている。遺族が身元公表を拒否している状況で、民主党が犠牲者名簿を通じ、「追悼政局」を追い込もうとする意図と受け止められ、議論が呼んでいる。与党国民の力は「国民的な悲しみを政争の具にしようとする民主党の本音がまざまざと明らかになった」と批判した。2014年以降、7年間にわたってソウル・光化門に設けられた「セウォル号空間」を再現しようとしているのではないかとの見方だ。

【写真】「犠牲者全体の名簿、写真、プロフィールを確保しろ」

 メディアのカメラは国会行政安全委員会で民主党戦略企画委員長の文振碩(ムン・ジンソク)議員が同党のシンクタンクである民主研究院のイ・ヨンヒ副院長から送られたメッセージを携帯電話で確認する姿をとらえた。メッセージには「梨泰院事故の哀悼期間が終わったにもかかわらず、犠牲者全員の名簿、写真、プロフィール、悲しいエピソードなどが公開されていない。捜査中という理由で政府とソウル市が名簿公開を拒否しているが、意図的な縮小隠蔽の試みだ」と書かれていた。政府とソウル市の反対で梨泰院の犠牲者名簿が公開されていないとの主張だ。

 イ副院長は「事故犠牲者全員の名簿と写真が公開されるのは基本だ」とし、「遺族と接触するなどあらゆる手段と方法を動員してでも犠牲者全員の名簿、写真、プロフィールを確保し、党レベルの発表と共に追悼空間を整備することが急がれる」と指摘した。民主党が梨泰院事故の犠牲者全員の身元情報を確保し、追悼空間をつくるべきだとの主張だ。しかし、犠牲者遺族の大多数は身元の公開を望んでいないとされる。行政安全部関係者は「セウォル号事故では当時遺族が団体をつくり、追悼空間を設けることにも積極的だったが、梨泰院事故では個人情報が明かされることを望まない遺族が多い」と話した。

 これについて、文議員は党の公式見解とは関係ない「私的な対話」だと説明した。文議員は電話取材に対し、「イ副院長が外部にこういう意見があるという趣旨で個人的に連絡を取った。遺族の同意なしに推進することは難しいと返答し、党でも全く検討していない」と述べた。しかし、民主党シンクタンクである民主研究院副院長が党の戦略を統括する重要人物に示した意見であることから、国家哀悼期間が終わり、民主党が「ポスト梨泰院政局」を構想する状況で、事故を政治的に利用しようとしているのではないかという批判が出ている。イ副院長は、民主党院内代表政務室長などを経て、李在明(イ·ジェミョン)選対で戦略本部戦略室長を務め、民主研究院副院長に最近任命された。

 国民の力の朴正河(パク・ジョンハ)首席広報は論評を通じ、「メッセージには『遺族と接触』『あらゆる手段と方法を動員』『犠牲者名簿と写真、プロフィールの確保』などと明確な指針まで示している」とし、「家族を失った悲しみで苦しい日々を過ごしている遺族を慰めるのではなく、政治的手段として活用しようとする意図としか思えない」「国民的な悲しみを利用し、政治的な計算だけをしている民主党の低劣な行動に鳥肌が立つほどだ」と述べた。張東赫(チャン・ドンヒョク)院内広報も論評で、「民主党は表では追悼を語るが、後ろでは醜い陰謀ばかり企てている。国家的惨事を利用し、国民の分裂と対立をあおり、遺族の胸にくぎを刺す蛮行を犯している」と語った。同党のペ・ヒョンジン議員は「被害家族を弔問した際、『家族の惜しまれる死が政治素材化されることを望まない』という話を聞いたが、民主党はそうではないようだ」と批判した。

周希妍(チュ・ヒヨン)記者、崔鍾錫(チェ・ジョンソク)記者

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  • ▲ソウル市竜山区の繁華街・梨泰院洞にあるハミルトン・ホテル周辺の道路に集まる多くの市民。29日夜撮影。/聯合ニュース
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