【コラム】忘れられたいと言っていた文在寅前大統領の「上王政治」

盧武鉉式の「私邸政治」にそっくり…政治はしないと言ったが行動は逆
政界の動向について随時報告を受け、親文派を糾合…李在明後の「上王」の役割を夢見ているのか

 韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は、退任後、烽下村の私邸で毎日支持者と会った。数百人の人の前でおよそ10分間演説し、問答も行った。気分がいいと、2回出てくる日もあった。そのたびに拍手と歓声が起きた。盧・元大統領は、そういう私邸政治を楽しんだ。だから「国会議員として政治復帰しようというのではないか」という声も上がった。

【動画】文前大統領が韓国政府に返還したつがいの犬「コミ」と「ソンガンイ」(11月9日撮影)

 逆に文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は「退任後は忘れられた暮らしをしたい」と言っていた。「現実の政治に関与するつもりはない」とも言った。ところが実際の姿は、そうした言葉とは違っていた。退任から2週間もたたないうちに、米国のバイデン大統領と会談すると言った。ホワイトハウスは会談を否定したが、最終的に電話会談を行った。韓国外交部(省に相当)から通訳の支援まで受けた。こんなことはほとんど前例がない。文・前大統領は、宇宙ロケット「ヌリ号」の打ち上げが成功すると、現職の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領よりも先に「誇らしい」と祝賀メッセージを発表した。

 文・前大統領は、尹錫悦政権に向かって「政権が変わっても9・19南北軍事合意を守るべき」と主張した。北朝鮮が核による先制攻撃を法制化した後、次から次へとミサイルを撃ち、軍事合意を破っても「北朝鮮との対話に出るべき」だとして、逆に尹政権を圧迫した。文・前大統領の側近らは、何かにつけて新政権の路線や政策を批判した。監査院の調査には「無礼な行い」と反発した。

 文・前大統領は、梁山へと下るや、すぐさまツイッター・フェイスブック・インスタグラムなどソーシャルメディアに随時、自分の近況をアップロードした。私邸前のデモを批判する書き込みから、山歩き中にカップラーメンを食べている姿、家庭菜園を手入れし、愛犬と散歩する写真などを次々と投稿した。支持者が私邸を訪れたら玄関に出てきて手を振った。「文在寅勧奨図書」の推薦も10回ほど行った。尹錫悦政権の関係者に向けて、読んでみろとも言った。本を通して、自分の考えや政策は正しかったと強弁しているかのようだった。支持層には「私を忘れるな」というメッセージと受け取られた。盧・元大統領に劣らぬ私邸政治だった。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲8月29日、文在寅前大統領の私邸(慶尚南道梁山市)を訪問した共に民主・李在明代表。/写真=共に民主党提供

right

あわせて読みたい