韓国軍の迎撃ミサイル、軌道離脱・交信中断時は自動で爆破するよう設計

地上の統制センターが手動で爆破させることも

 韓国軍が保有する迎撃ミサイルと弾道ミサイルは正常軌道から外れた場合や交信が途絶えた場合、自動で爆破あるいは手動で爆破するよう設計されている。韓国軍当局が16日に説明した。

【動画】「天弓」発射! 韓国空軍防空誘導弾射撃大会(2017年)

 韓国軍には現在、迎撃ミサイルとして米国の「パトリオット(PAC2とPAC3)」や韓国製の「天弓2」などが配備されている。最大迎撃高度は天弓2が15キロ、PAC2とPAC3は20-30キロだ。PAC2は最初から対空ミサイルを迎撃する能力も持つ改良型だ。PAC3と天弓2が相次いで配備されたことで韓国軍の迎撃網でPAC2が占める比重は小さくなっている。天弓2は昨年4兆ウォン(約4200億円)でアラブ首長国連邦(UAE)に輸出されることになった韓国初の迎撃ミサイルで、標的(敵ミサイル)に直接衝突し破壊する「ヒット・トゥ・キル」(Hit-to-Kill)方式となっている。

 これらのミサイルは地上のレーダーが標的まで誘導するか、最終段階で自ら標的を探知・追跡し命中する。この過程で統制レーダーと交信中に通信が途絶えた場合、あるいはミサイルが迎撃の軌道から外れ地上に向かった場合は自動的に爆発する。必要な場合は地上の統制センターが手動で爆破させることもできる。ある韓国軍筋は「米国製のパトリオットや韓国製の天弓2はいずれも不意の事故を防ぐため何重もの安全装置を持っている」と説明した。

 迎撃ミサイルではないが韓国製対空ミサイル「天弓1」はこれまで2回事故が発生したが、いずれも自動爆破機能がしっかりと作動した。今月初めに空軍防空誘導弾射撃大会で天弓1は発射後に統制レーダーとの交信が不安定化したため、発射から10秒後に自動的に爆破した。

 2019年には江原道春川で整備担当者のミスで天弓1が異常発射される事故が起こったが、約3.5秒後に空中で自爆した。天弓1の最大射程距離は40キロで、最大15キロ前後の高度で飛ぶ航空機を撃墜する際に使われる。在韓米軍はPAC2とPAC3、さらにTHAAD(高高度防衛サイル)を保有しているが、韓国軍のミサイルと同じく自動あるいは手動で爆発する機能を持っているという。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

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  • ▲迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC2)

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