梨泰院雑踏事故:元竜山署長、上層部と部下に責任転嫁

 李林宰(イ・イムジェ)元ソウル竜山警察署長(総警、警視正に相当)は16日、国会行政安全委員会に証人として出席し、「当夜、梨泰院事故について、1件の報告も受けていない」とし、「状況を知ったのは午後11時ごろだ」と述べた。事故発生は10月29日午後10時15分だったが、45分後にようやく状況が分かり、現場への到着と対応が遅れたとの説明だ。

 李林宰元署長は同日、梨泰院事故を巡る対応の問題点を尋ねる与野党議員の質問に対し、部下と上層部、近隣での集会・デモ、大統領室の竜山移転などに責任を転嫁するような答弁を行った。李林宰元署長は「午後9時57分ごろに(地下鉄の)緑莎坪駅に到着し、当時現場を管理していた(龍山署)112状況室長に状況を尋ねた」とし、「人が多く車が渋滞しているが、特別な状況はないと報告を受けた」と説明した。梨泰院のハロウィンイベントの現場管理に関連しては、「112状況室長が司令塔を務めることになっていた」と話した。李元署長が責任を転嫁したソン・ビョンジュ龍山署112状況室長(警正、警視に相当)は、健康上の理由で出席しなかった。

 事故当日、ソウル地方警察庁状況管理官の当直勤務だった柳美真(リュ・ミジン)元ソウル庁人事教育課長(総警)も「午後11時39分、状況室から圧死の通報があるという最初の報告を受けた」とし、「(その前には)報告を受けていない」と答えた。李林宰元署長と同様に部下から報告がなく、対応できなかったとの主張だ。柳元課長は当直勤務場所である5階の112状況室ではなく、10階にある自分の事務室にいたとし、それについては「慣例だった」と述べた。その上で「当日の状況管理官として誠実に勤務できなかった部分に対して心から反省している」と語った。

 李林宰元署長は梨泰院ハロウィンイベントの秩序維持のために上部機関であるソウル地方警察庁に2回にわたり、機動隊の出動を要請したが受け入れられなかったとも主張した。警察出身の李晩熙(イ・マンヒ)議員(国民の力)は「ソウル地方警察庁に機動隊の出動を数回要請したというが、一度でも(李元署長が)直接電話をかけて要請したのか」と問いただした。李林宰元署長が「直接ではなかった」と答えると、李晩熙議員は「証人は指揮官だが、ソウル地方警察庁長にいくらでも指揮報告を行い、要請できるのではないか」と批判した。それに対し、李林宰元署長は「申し訳ない」と述べた。

 張済元(チャン・ジェウォン)議員(国民の力)は、李林宰元署長に向かい、「112状況室など部下に罪を被せるのは悪いというレベルを超え、厚かましく稚拙だ」と非難した。李林宰元署長は「責任を回避しようとしているわけでは絶対にない」とし、「ただその日の事実関係を正確にし、二度と事故が起きないに真相究明を進めるため、申し上げている言葉にすぎない」と話した。李林宰元署長は最後に「竜山署の現場署員には過度の非難と叱責を(控え、)現場指揮官である私を批判してほしい」とも述べた。

 与党が現場責任者らを追及した半面、共に民主党の議員らは大統領室移転による警察力不足が事故原因になったという趣旨の質問を続けた。文振碩(ムン・ジンソク)議員は「竜山への(大統領)執務室移転後、竜山署の業務が急増したという報道があった。業務量が増加し、一線警察官の苦情があったというのは事実か」と質問した。これに対し、李林宰元署長「人員約80人が追加で竜山署に補充されたが、現場ではかなり不足していたと思う」と答えた。

 与党は李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官と李林宰元署長に対する野党の態度がなぜこれほど違うのかと指摘した。張済元議員は「李林宰証人と民主党議員の間の懸案質疑の答弁を見ると、どうしてこんなに温情的なのか。直接の治安指揮体系から外れている李長官は侮辱し、暴言と極端な用語を使い、現場の治安の中心責任者が責任回避をしているにもかかわらず、穏やかに話している」と述べた。民主党議員は「証人尋問をすべきであって、議員の質疑を評価するのか」と反発した。

金承材(キム・スンジェ)記者、周希妍(チュ・ヒヨン)記者

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  • ▲李林宰元竜山署長(左)と柳美真(リュ・ミジン)元ソウル地方警察庁人事教育課長が16日、国会行政安全委員会の全体会議に出席し、硬い表情を浮かべている。/NEWSIS
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