中・日首脳が30分だけ会談、対話の糸口をつかんだ

 中国の習近平・国家主席と日本の岸田文雄首相は17日、タイのバンコクで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の期間中に現地で首脳会談を行った。中日首脳による対面の会談は2019年12月に習主席と当時の安倍晋三首相が北京で会談して以来2年11カ月ぶりだ。北朝鮮の核とミサイルによる挑発、尖閣諸島(中国名、釣魚島)、台湾海峡、中国による東シナ海のガス田開発などさまざまな懸案があることから 両国の外交関係者らは「会談は1時間以上かかるだろう」と予想していた。ところがこの日午後6時46分(現地時間)に握手と記念撮影を行った両首脳は会談開始から約30分で会場から出てきた。

会談後に岸田首相は「昨年10月に習主席と電話で会談したときにはかなり有意義な意見交換を行い、建設的かつ安定した日中関係の構築と大きな方向性で一致した」「今年の9月29日にも両国国交正常化50周年を契機に習主席と非常に良いメッセージをやりとりした」などと前置きした上で「日本と中国は東北アジアと国際社会の平和と繁栄を共に守る重要な責任を共有する大国だ」と述べた。

 岸田首相は今回の会談で、中国との良好な関係を追求しつつも圧力を加える「和戦両面戦術」を駆使したという。中国側に対し「北朝鮮の核・ミサイル挑発」や「台湾海峡問題」などで「責任ある行動」を求める一方、「協力すべき部分は協力する」との考えを示したようだ。岸田首相は会談後「尖閣諸島を含む東シナ海情勢や中国の弾道ミサイル発射など軍事行動に対する深刻な懸念を伝え、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調した」とも明らかにした。

 岸田首相は「中国が軍事大国化から少し譲歩すれば、経済や産業分野でいくらでも協力できる」との考えも示した。岸田首相は「日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃を強く求めた」とする一方「経済や国民同士の交流を含む医療、ヘルスケアなどの分野で双方に利益となる形で協力することでも意見が一致した」とも伝えた。

 習主席も会談の冒頭「両国による協力の必要性」を強調した。習主席は「両国はアジアと世界で重要な国であり、多くの共通利益があり協力すべき空間も大きい」「わたしはあなた(岸田首相)と共に政治家として責任を果たし、戦略的な観点から両国関係の大きな方向性を把握し、新たな時代の要求に合った関係を構築したい」と述べた。ただし習主席は会談で「今のように日本と米国が密着し、中国に対して一方的に圧力を加え包囲することは不適切だ」とくぎも刺したという。

 会談では北朝鮮問題やウクライナ問題も議題に上り、両首脳は「ロシアは核兵器を使ってはならない」との点で一致したという。会談後に日本側が明らかにした。

 日本の専門家は「短い時間の会談だったが、まずは会うこと自体に意味がある」と見ているようだ。両国の緊張緩和と協力に向け今後も対話を継続できるようになるからだ。会談後に岸田首相は「今後も緊密な意志疎通を図っていくことで意見が一致した」「近く林外相が中国を訪問する日程を進めていく」などとした上で「建設的かつ安定した日中関係構築に向けた対話としては良いスタートだった」との考えを示した。黒竜江省社会科学院東北研究所のタン志剛所長は環球時報の取材に「中日関係は交差点にあるが、サプライチェーンの安定と地域の経済回復に向け協力する機会も多い」「意見の違いを適切に管理できれば、両国関係は前向きな方向に発展するだろう」と述べた。

東京=成好哲(ソン・ホチョル)特派員、北京=イ・ボルチャン特派員

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