【コラム】続投する習近平主席に米国からプレゼント

■米情報網に丸裸にされたロケット軍

 安徽省黄山に司令部がある第61基地は東南部地域を担当する部隊で、台湾への武力侵攻に使われる短距離弾道ミサイル(SRBM)や準中距離弾道ミサイル(MRBM)が集中的に配備されています。台湾侵攻の際、台湾や南シナ海に接近する米空母などを攻撃するミサイルを発射する部隊です。趙秋領少将が司令官です。西部の甘粛省蘭州にある第64基地、中部の河南省洛陽に司令部を置く第66基地などには核兵器を搭載したICBMなど中長距離ミサイルが配備されています。

 東北地域を担当する第65基地は韓半島の北側にある遼寧省瀋陽に司令部があります。IRBMやSRBM、極超音速ミサイルなどを発射する旅団が所属しています。韓半島有事に対応する部隊と言えます。雲南省昆明の第62基地と湖南省懐化にある第63基地は南部地域を管轄しているそうです。第62基地には「空母キラー」と呼ばれるDF-21が配備されています。南シナ海に接近する米空母を狙ったものでしょう。

 基地別の資料を見ると、真っ先に部隊編制表が登場。続いて部隊の経緯と配備ミサイル、最近の動向などの説明があります。続いて基地司令部の住所と座標、主要傘下部隊の位置図、部隊指揮官と主要幹部の名前などが並びます。必ず記載されているのが緯度と経度による座標です。有事の際しての米空軍の爆撃機と戦闘機による攻撃目標なのでしょう。

 報告書には公開情報と非公開情報が混在しています。インターネット上に掲載された公開情報に基づき、米国の軍事衛星や先端偵察機などが収集した各種電子情報、元中国軍関係者などから得た情報などを総合して資料を完成させたと推定されています。より精密で直接的な軍事機密は含まれていないとみられます。

 米国が習主席の再任確定直後に報告書を発表した理由は簡単に推測可能でしょう。習主席は今回の第20回党大会で中央軍事委副主席に何衛東・前東部戦区司令官を選任しました。東部戦区は台湾侵攻の主力部隊で、30万人以上の兵力を保有しています。東部戦区出身の司令官を中央軍事委副主席に就かせたということは、習主席が直接台湾侵攻を指揮する垂直体系を整えたと言えます。今後5年内に台湾武力侵攻を行うという姿勢を示したのです。

 米国が中国のロケット軍部隊の座標を含む報告書を発表したことは、中国側の姿勢に対する答えです。戦略ミサイル部隊であるロケット軍の組織と基地の位置、指揮官や幹部の身元など、あらゆる情報を丸裸にし、「我々の手中にあるのだから軽挙妄動は慎め」と公に警告したのです。

崔有植(チェ・ユシク)朝鮮日報東北アジア研究所長

【写真】米空軍大の報告書のロケット軍第61基地に関する説明部分/米空軍大

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