金正恩委員長、ICBM発射場に娘を登場させた意図は…「核相続」の意志強調か

北朝鮮「後代の夢のため核兵器を引き続き強化する」

 金正恩氏は火星17型の発射を見守った直後「核には核で、正面対決には正面対決で応じる」「米国や南朝鮮などが軍事的に虚勢を張るほど、われわれの軍事的対応はより攻勢的に変化するだろう」などと述べた。北朝鮮は今回「大陸間弾道ミサイル部隊」にも初めて言及した。ICBM発射部隊を立ち上げた可能性が浮上しているのだ。現在、北朝鮮は13のミサイル旅団を展開しているという。

 韓国の情報当局や北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋などによると、金正恩氏と李雪主氏は2009年に結婚し、李雪主氏は2010年に息子、12年ごろに娘、20年ごろに娘を出産したという。1男2女を持つとみられ、今回写真が公開された娘は12年ごろに生まれた長女とみられる。13年に米国の元NBA(全米プロバスケットボール)選手デニス・ロッドマン氏は金正恩氏の招待を受けて訪朝した際「私は彼らの娘のジュエを抱いた」と伝えたことから、ICBMと共に公開された娘は「キム・ジュエ」と推定されている。

 朝鮮中央通信は金正恩氏の娘の名前や年齢などは公開していない。金正恩氏の長男について元北朝鮮軍幹部出身のある脱北者は「海外で北朝鮮最高位層の子供を護衛したことがある」「彼が話したところによると、2人の子供の名前は『ジュウン』と『ジュエ』だそうだ」と伝えている。娘がジュエであればジュウンは息子の名前だ。ある情報筋は「キム・ジュエとは違って金正恩氏の長男についてはその行跡は平壌で捕捉されていない」「海外に留学している可能性が考えられる」との見方を示した。金正恩氏も10代の時はスイスに留学していた。

 金正恩氏の子供たちについてはベールに包まれている。北朝鮮体制の特性上、金氏一家の子供が幼い時から公開された例はない。身辺の安全や後継者の権力などが関係してくるからだ。金正恩氏も後継者になることが決まった20代後半になって初めて登場した。ところが金正恩氏は先月、政権の人材基盤となる中央幹部学校で核を強調した際「後嗣」という言葉を初めて使った。「50年、100年、数百年後の後嗣も安心して任せられる党の有能な働き手を育てよ」と語ったのだ。後嗣とは代を引き継ぐ子孫という意味だ。高麗大学統一外交学部の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「ICBMの成功から始まる体制への自信を誇示するために幼い娘を初めて登場させ、宣伝効果を最大限に高めようとした」との見方を示した。

キム・ウンジュン記者

【表】金正恩氏の子どもたち(家族構成)

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲発射を視察した金正恩総書記と娘の姿/写真=朝鮮中央テレビより
  • 金正恩委員長、ICBM発射場に娘を登場させた意図は…「核相続」の意志強調か

right

あわせて読みたい