雑踏事故 特別法制定による補償を検討=韓国大統領室

【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル市・梨泰院で158人が死亡した雑踏事故を巡り、大統領室が遺族と負傷者への正当な補償に向け特別法の制定を検討していることが22日、大統領室関係者への取材で分かった。警察庁の特別捜査本部が近く事故の中間捜査結果を発表すれば、その内容次第で政府と与党を中心に賠償、補償に関する議論が進展する可能性がある。

 大統領室関係者は聯合ニュースの電話取材に「事故責任の所在が明らかになれば現行法にのっとり措置を取る必要があり、足りない部分に対しては特別法など必要な法令を設けて補完する方針だ」と話した。別の関係者も「法的に不備な部分があれば特別法をつくることもあり得る」とし、現在内部で検討していると伝えた。

 遺族と負傷者が国を相手取った損害賠償請求訴訟を起こして勝訴する可能性が高いことを想定し、特別法制定を検討しているとみられる。特別法の効力が発生すれば、個別の訴訟なしに審議委員会などを通じて一括して賠償を行うことができる。ただ、捜査が完了していない時点での動きには慎重な雰囲気もある。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は21日、韓悳洙(ハン・ドクス)首相との定例会合で「正当な補償を受けられる権利を遺族に提供するためにも、実体的真実の把握が重要だ」と述べた。この「実体的真実」について大統領室関係者は、事故発生の正確な経緯を指し、警察の強制捜査と科学捜査で明らかにする内容だと説明した。国会で議論されている国政調査でなく、捜査を通じた真相究明に改めて重きを置いたと受け止めることもできる。

 尹大統領は22日の閣議の冒頭でも、遺族と負傷者への十分な支援を強調し、特別捜査本部には「徹底した真相究明に総力を挙げてほしい」と求めた。

 特別捜査本部は早ければ週内にも容疑者の身柄の扱いを決める見通しだ。大統領室関係者はまずは速やかで正確な真相究明が必要だとした上で「過失が明確になる場合、国家賠償も迅速に話し合われる可能性がある」と述べた。その場合の特別法制定は、大統領室ではなく政府・与党の主導になるとみられる。

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