緩まる対ロ制裁網、米国が同盟国に「貿易統制の強化」求め外交圧力

「韓国や日本からのロシア向け輸出はウクライナ侵攻直後よりも30%増加」
EUも凍結しているロシア資産を没収か

 ロシアによるウクライナ侵攻に対抗して欧米諸国が続けている対ロシア制裁の緩みが最近になって表面化し、米国が同盟国に貿易統制の強化を求め外交面で圧力を強めている。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が21日(現地時間)に報じた。WSJは「米財務省、商務省、国務省などバイデン政権の高官らがロシアに対する制裁と関連してベルギー、英国、フランス、日本など各国を回り外交交渉を続けている」「米国はロシアによる制裁回避の手口について各国と情報を共有し、制裁をためらう国や企業に対しては『懲罰的な措置』をちらつかせ水面下で警告している」と伝えた。

 今年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシアに対する厳しい制裁が続いた影響で今年4-6月期まで世界の主要国によるロシア向け輸出は50%以上一気に減少したが、中国やトルコなどはこの隙を突いてロシアとの貿易を拡大してきた。それが7月以降は制裁に加わってきた米国の同盟国もロシア向け輸出を拡大しているというのだ。WSJは独自の資料に基づき「韓国や日本によるロシア向け輸出は今も制裁前より低い水準を維持しているが、初期に出た損失のほぼ3分の1を回復した」と報じた。韓国も米国の「圧力」を受ける可能性をうかがわせる内容だ。

 ある米国政府高官は「金融や貿易の分野ではロシア制裁が一部の国のあいまいな態度や消極的な動きで実効性が低下している」「このような形の制裁の緩みはウクライナ戦争の終結を遅らせるだろう」と指摘した。国際通貨基金(IMF)は先月「ロシア経済は今年3.4%のマイナスを記録する」と予想した。今年4月にマイナス8.5%、7月にはマイナス6%を予想していたが、それほどのマイナスには至らないというのだ。ロシアに対する制裁は当初予想したほどの効果が出ていないことを示している。

 一方で欧州連合(EU)も独自の制裁で凍結したロシアの銀行や企業の資産を没収し、ウクライナの復興に使う方策を実行に移すための法的手続きの検討に入った。米国の政治専門メディア「ポリティコ」が21日(現地時間)に報じた。EU執行委員会は先日、資産没収を実行に移す事前の段階として、ロシア政府とオルガルヒ(ロシアの新興財閥)の資産を追跡しているという。ロシア中央銀行の外貨保有高は約6400億ドル(約90兆円)だが、そのほぼ半分にあたる3000億ドル(約42兆円)とEUの制裁リストにあるオルガルヒの資産が没収の対象になるという。

ワシントン=イ・ミンソク特派員

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