「韓国の対北交流団体会長、北の金英哲・ソン・ミョンチョルに50万ドル渡した」

「韓国の対北交流団体会長、北の金英哲・ソン・ミョンチョルに50万ドル渡した」

 韓国の対北朝鮮交流団体、アジア太平洋平和交流協会のアン・ブス会長が下着大手サンバンウルグループの実質的オーナーであるキム・ソンテ元会長の指示を受け、北朝鮮の対南事業機関である朝鮮アジア太平洋平和委員会の金英哲(キム・ヨンチョル)委員長とソン・ミョンチョル副室長に計50万ドルを渡したことが29日までに明らかになった。サンバンウルとアジア太平洋平和交流協会は、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が京畿道知事だった当時、京畿道と共に対北朝鮮事業を行っていた。

 水原地検刑事6部はサンバンウルが2018年から19年にかけ、中国に640万ドル(現在のレートで約8億8700万円)をひそかに持ち出したとされる疑惑にアン会長が関与したとみて捜査を進めてきた。検察は同日、アン会長を外国為替取引法違反、横領、証拠隠滅教唆などの罪で起訴し、訴状にアン会長が19年1月ごろ、ソン・ミョンチョル朝鮮アジア太平洋委員会副室長に43万ドルを渡したと明記した。アン会長は当時、中国・瀋陽市でキム・ソンテ元会長、李華泳(イ・ファヨン)京畿道平和副知事(起訴済み)、ソン・ミョンチョル副室長らと会食し、それをきっかけにアン会長が対北朝鮮事業に関連する働き掛けを行うため、ソン副室長に金銭を渡したとされる。サンバンウルは同年5月、北朝鮮から地下資源開発など6分野の「優先的事業権」を獲得し、その代価を後日支払うするという合意文書を取り交わした。

 アン会長は18年12月に中国経由で平壌入りし、金英哲委員長に7万ドルを渡した疑いも持たれている。金英哲氏は2010年の天安沈没事件、延坪島砲撃など韓国に対する挑発を計画・指揮した偵察総局長を務め、北朝鮮国内の「実力者」とされていた。

 検察はアン会長の訴状にキム・ソンテ元会長を共犯として記載した。検察はアン会長が北朝鮮側に計50万ドルを渡した背景には、キム・ソンテ元会長の指示があったとみているという。サンバンウルは13年2月、中国政府から「北朝鮮国内での委託加工事業」の許可を受けたが、韓国統一部から関連許可が出ず、北朝鮮事業が推進できなかった経緯がある。

 キム・ソンテ元会長は2018年7月、李在明代表が京畿道知事に就任し、「北朝鮮通」だった李華泳氏が京畿道平和副知事に就任したことから、李華泳氏と京畿道の対北朝鮮事業のパートナーだったアジア太平洋平和交流協会を通じ、北朝鮮事業を再開しようとしたとみられている。 京畿道とアジア太平洋平和交流協会が北朝鮮との交流イベントを共催した際、サンバンウルが費用を支援したこともあった。京畿道は当時、李在明知事の訪朝を推進し、北朝鮮に小麦粉や苗木を支援する事業も行った。

 サンバンウルは李在明代表が過去の選挙法違反事件で裁判を受けた際、巨額の弁護士費を負担したとされる「弁護士費用肩代わり」疑惑でも捜査を受けている。検察はサンバンウルが発行した転換社債の一部に横領、背任、資金洗浄(マネーロンダリング)が疑われる状況が確認され、李在明代表らとサンバンウルの関係からみて、(転換社債関連の)利益が弁護士費用に充てられた可能性を排除できない」との立場だ。

 キム・ソンテ元会長はサンバンウルに対する検察の捜査が本格化すると、今年5月に海外に逃亡した。

 一方、アン会長は19年、京畿道が北朝鮮に小麦粉を支援する事業を委託され、京畿道から支給された補助金のうち8億ウォン(約8400万円)を横領したという疑いも持たれている。 検察はアン会長がサンバンウルなど企業から受け取ったアジア太平洋平和交流協会への寄付金5億ウォンも横領し、個人の遊興費に使ったとみている。アン会長は検察の捜査が始まると、7月に職員に事務室にあるパソコンのハードディスク17個を隠すことや、税関に申告していない北朝鮮の絵画を隠すことを指示した疑いも浮上している。

宋元亨(ソン・ウォンヒョン)記者

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