裁判所前でサムスン会長に卵投げ付け、女性タレントの仕業だった /ソウル

 李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長が1日午前、公判に出廷するためにソウル市内の裁判所を訪れた際、何者かに卵を投げ付けられた。この騒動で、卵を投げ付けたのは韓国の女性タレント、イ・メリ氏だったことが分かった。イ氏は卵を投げた理由について、かつて自身が受けたセクハラに関連してサムスンのコンプライアンス委員会に何度も苦情を申し立てたものの、一切回答が得られなかったためだと、チョソン・ドットコムの取材に対して説明した。

 イ氏によると、イ氏は大学院に在籍していた2019年、サムスンの役員を含む政財界・学界の関係者の酒席に出席し、お酌を強要されたという。このときイ氏は、この問題について「Mee To」(性被害体験の告白・共有)の暴露記者会見を行うとしていたが、直前になって会見を取りやめていた。

 イ氏は、厳罰を求める嘆願書も提出したものの「加害者から謝罪も補償もない」と話した。さらに、母が病気のため自分が働く必要があるとして「私は李在鎔より母の生活費の方が先だ。李在鎔会長の前でもそのように叫んだ」と話した。

 イ氏はこの日、自身のフェイスブックで「李会長が裁判に出席するとき、卵を2個投げた」「監獄へ行けと叫んだ」と明かした。しかし、その後に続いた文章は李会長に韓国サッカーの話を絡めるなど支離滅裂だった。

 イ氏は1994年にMBCの司会者としてデビューし、2003年からは女優として活動していたが、2011年のドラマ出演を最後に活動を休止していた。

 李会長はこの日、9時40分ごろソウル市内の法院(裁判所)総合庁舎の西門前に到着。車を降りて建物に向かって歩き始めた瞬間、左側から卵が飛んできた。

 卵は李会長には当たらなかったが、李会長は突然のことに驚いた様子を見せた。裁判所の警備員らも、驚きながら即座に李会長の周辺を警護した。裁判所側は、イ氏を告発するか、裁判の傍聴制限を検討している。

 李会長は、第一毛織とサムスン物産の合併をめぐり、自身のグループでの支配力を強めるために第一毛織の株価を故意につり上げ、サムスン物産の株価を下げるという不当行為を行った罪で2020年9月に起訴され、現在も裁判が続いている。

イ・ガヨン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
あわせて読みたい