ソウル市立大、学生証に総長印ではなく環境団体の印…大学側は4年間気付かず

 ソウル市立大学がおよそ3年7カ月にわたり、総長印ではなく環境運動団体の印が押された学生証を発行していたことが分かった。ソウル市立大学は最近までこの事実を把握していなかった。

 ソウル市議会のパク・カンサン議員(共に民主党)が4日にソウル市立大学から受け取った資料によると、ソウル市立大学は2019年4月から先月11日まで「天安牙山環境運動連合の印」と記載された印を学生証に印刷していた。

【写真】ソウル市立大の学生証に押されていた環境団体の印。「天安牙山環境運動連合の印」と書かれている

 学生証の右側下段の「ソウル市立大学総長」という文字の最後には赤色で総長印が印刷されるはずだが、この印が「天安牙山環境運動連合の印」となっていたのだ。この学生証は毎年ソウル市立大学に入学する新入生1700人以上に発行され、再発行などを含むと発行数は7000枚以上に上ると推定されている。

 ソウル市立大学はこの事実を4年近くにわたり把握しておらず、先月ある学生からの指摘を受けて分かったという。

 ソウル市立大学は今回の事態が起こった理由について「学生証の作成を外部の業者に依頼した際、過去の制作物にあった環境団体の印が入ってしまった」「肉眼で確認するには非常に小さいので、確認の過程で発見できなかった」と説明した。

 問題の学生証のサイズは54×85ミリで、印の大きさは5×5ミリだ。

 ソウル市立大学は「一般的に住民登録証など各種証明書にはその機関の印が使用されており、他の印があった場合は証明書の効力はない」「今回の件の場合も対外的に証明書の効力はない」と説明した。

 ソウル市立大学はこの問題が明るみに出たことで学生証のデザインを変更する作業を進めている。ソウル市立大学は「今年12月から新しい学生証の発行を開始し、来年2月までに全て交換するようにしたい」とコメントした。

 またソウル市立大学はこの学生証が使用された時期に再任されたウォン・ユンヒ前総長、現在のソ・スンタク総長とこの団体について「何の関係もない」と明らかにした。

 ソウル市議会のパク・カンサン議員は「最近は授業料を半額にした影響でソウル市立大学の競争力が低下し、授業料値上げの動きもあるようだが、これは間違った診断だ」「安易な姿勢で外の会社が使った文言をそのまま学生証にコピーして印刷するという今回の事態が起こった。基本的な事務作業に対する反省と省察がまずは行われねばならないだろう」と指摘した。

キム・ユンジュ記者

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