カタールW杯:点の取り方を知っているチームに進化した韓国代表、次の4年はDF強化を

【変わった韓国サッカー】希望と課題を感じさせたベント監督率いる韓国のW杯

カタールW杯:点の取り方を知っているチームに進化した韓国代表、次の4年はDF強化を

 韓国は2022国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ(W杯)カタール大会開幕を前後してさまざまな悪材料に見舞われた。ソン・フンミン=トッテナム=は顔面の手術を受けた。フェイスガードを着用してプレーし、普段の実力を発揮できなかった。ベント監督体制で最も多くのゴールを決め、過去2シーズン連続でフランス・リーグ2けた得点を記録した黄義助(ファン・ウィジョ)=オリンピアコス=は今季ギリシャ・リーグに移籍してから無得点と不振にあえいでいた。ソン・フンミン、黄義助と共に「欧州組FWトリオ」だった黄喜燦(ファン・ヒチャン)=ウルバーハンプトン=もハムストリングスのけがの回復が予想より遅かった。このため、韓国はウルグアイとのグループリーグ第1戦で序盤からボール支配率では優位だったもの、攻撃はうまくいかなかった。両チームとも枠内シュートが1本もなかった。

■ベント監督の「攻撃プランB」は成功

 ベント監督はガーナとの第2戦にチョ・ギュソン=全北現代=をストライカーとして先発起用した。ウルグアイ戦の交代メンバーとしてW杯デビューを果たしたチョ・ギュソンはガーナ戦で2ゴールを決め、韓国人選手としては歴代W杯で初の1試合「マルチゴール」の主人公になった。ガーナ戦で前半に0-2とリードされるや、ベント監督が後半に李康仁(イ・ガンイン)=RCDマジョルカ=を投入したのがムードを変えるきっかけとなった。

 黄仁範(ファン・インボム)=オリンピアコス=を中心としたMF陣は韓国の支柱になった。李在成(イ・ジェソン)=マインツ=、羅相浩(ナ・サンホ)=FCソウル=、李康仁が期待以上に活躍した。ガーナ戦は結局2-3で敗れ、韓国の決勝トーナメント進出の可能性はほとんどなくなったと思われた。ベント監督は第3戦のポルトガル戦に李康仁を先発起用し、黄喜燦を後半に交代で投入して勝負をかけた。それが奏功し、開始5分で先制ゴールを奪われたものの、後に2-1と逆転した。しかも、1-1だったアディショナルタイムにソン・フンミンの70メートルにわたるドリブルとパス、それに続く黄喜燦の決勝ゴールは今大会最高の瞬間だった。

■「一生懸命走るDF」の限界も

 W杯前までベント監督体制の韓国は53試合(34勝7敗12分け)だった。この期間に韓国より客観的に見て戦力が高い欧州のチームとは強化試合を行っていない。2020年に新型コロナウイルスが大流行したことや、欧州サッカー連盟がUEFAネーションズリーグという国家対抗戦を新設、欧州のチーム同士で試合をする回数が増えたことから、韓国が適切な強化試合の対戦相手を見つけることができなかったという面もある。こうした現実を考えても、韓国のDFは真のテコ入れをする機会が少なかった。2002年W杯韓日共催大会前、フース・ヒディンク監督率いる韓国はチェコとフランスに0-5と大敗したが、これを「覚せいのチャンス」にした。

 韓国代表チームが今回採用した戦術の方向性は正しかった。ベント監督は相手チームによってはボール支配率をある程度放棄しつつ、攻守のバランスを保つことに力を入れた。FWの選手たちもDFのプレスに加わるなど「ワンチーム」となって動いた。だが、このため体力の消耗も激しかった。キム・ミンジェ=SSCナポリ=など故障した選手も出た。グループリーグの段階で辛うじて踏ん張った韓国のDFは、決勝トーナメント1回戦でブラジルの圧倒的な攻撃力の前に次々とお手上げ状態のまま崩れた。ブラジルは強いプレスと素早い逆襲、個人技と組織力、ゴール決定力などを調和させつつ、「サッカーというショー」を楽しんだ。韓国は今年6月にソウルで行われたブラジルとの強化試合(1-5で敗戦)同様、さんざんな目に遭った。体力が尽きた状況でプレーがいっそう委縮していた。

 韓国が次のW杯大会でベスト16、そしてベスト8入りを狙うには、日本のように海外リーグでプレーして最先端のサッカーを身につけたDFや守備的MFをさらに輩出する必要がある。そして、主力メンバーと控えメンバーのレベル差がほとんどないスクワッドを作らなければならない。結局は選手たちが持つ「才能の総合力」が高くなければ競争力も上がらない。ベント監督率いる韓国のW杯カタール大会は、希望のほかに長年の課題も再認識させられた大会だった。

ドーハ=成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者

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