【12月7日付社説】国家情報院は南北対話の窓口ではなく対北情報機関だ

【12月7日付社説】国家情報院は南北対話の窓口ではなく対北情報機関だ

 韓国の情報機関・国家情報院(以下国情院)の幹部人事が終了した。1級幹部の交代に3カ月、2・3級幹部の交代にまた3カ月かかった。今回の人事は、対北朝鮮監視・情報・防諜(ぼうちょう)能力を復元することに焦点を合わせたという。南北秘密接触など対北朝鮮交渉の方面に組織の力量と機能が過度に偏重していた不正常さを改めようとしたのだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に重用されていた2・3級幹部およそ100人が補職を受けられないとあって、内部の抵抗もあり得る。

 文政権時代、国情院は対北情報機関ではなく南北対話機関だった。当時の院長は、候補者に内定するなり「平壌に行ける」と言い、板門店南北首脳会談の現場では感激して涙まで流した。文政権の国情院は、北が核開発を続けることを知りながらも、国会に出てきて「非核化の意志がある」と言い、北が嫌がるという理由で韓米合同演習の中止も主張した。金正恩(キム・ジョンウン)のご機嫌に合わせた言行が乱舞する背景には、国情院がいた。とんでもないことだった。

 文政権時代に国情院の対北情報力は墜落した。2018年3月に北朝鮮の特別列車が中国入りした後も、金正恩訪中を確認できないほどだった。存在理由を疑わせる出来事だった。国情院が南北会談の当事者として乗り出したものだから、組織全体がその方向へ変質し、対北情報能力が一段と低下することは避けられなかった。

 文政権時代の国情院首脳部は、西海公務員射殺事件に際して「越北」状況に合わない情報報告書を無断で削除した容疑、亡命意思を明らかにした脱北漁民らの送還を急ぐため合同調査を早期に終了させた容疑などで検察の取り調べを受けている。国家機関、それも情報機関が、南北対話の支障を取り除くことにばかり熱中していた。スパイ罪で服役した人物の字体で国情院の院訓を刻むということもやった。国情院そのものを軽んじる行為だった。

 文政権は、国情院の対共捜査権も廃止して警察に移した。一部問題があるからといって、捜査権そのものをなくすことができるのか。対共捜査は、こちらの機関からあちらの機関へと移せる問題ではない。数十年の経験が必須の業務だ。今や対共捜査は、事実上空白状態に等しい。韓国軍の防諜機能も弱体化し、検察の対共捜査機能も縮小した。三大対共・防諜機関が全て弱体化したのだ。

 国情院は情報機関だ。どの国であれ、情報機関は安全保障の最前線にある。安全保障を脅かす敵の動向を探知し、あらかじめ準備できるようにするのが基本任務だ。南北対話は統一部の仕事だ。だが北朝鮮は、統一部を排除し、国情院ばかり相手にしようとする。それに韓国の政権が呼応した。国情院が変質することは避けられなかった。北朝鮮が望んだ通りだ。国情院内部にも南北対話勢力が根を降ろした。国情院を南北対話の窓口ではなく対北情報機関として正常化し、いかなる政権が来ようともこの原則だけは崩してはならない。

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