【独自】韓国公務員射殺事件、「通信傍受原本」削除の指示があった

検察と監査院が複数の供述を確保…「越北捏造」との見方がさらに有力に

 西海で韓国海洋水産部(省に相当、以下同じ)職員の故イ・デジュンさんが2020年9月に北朝鮮軍に殺害された直後、青瓦台(韓国大統領府)の会議に出席した韓国国防部の徐旭(ソ・ウク)長官(当時)が「北朝鮮軍の通信内容が記載された韓国軍の『通信傍受原本』の削除を指示した」とする供述があったことが分かった。これまで文在寅(ムン・ジェイン)前政権の幹部らはこの原本が残っているとの理由から「当時国防部と国家情報院がイさん越北との見方と相反する情報を相次いで削除したのは問題がない」と主張してきた。

 徐旭前長官はイさんが殺害された翌日の2020年9月23日深夜1時、青瓦台で開催された会議に出席した直後、軍事情報統合処理システム(MIMS)に残っていたイさん関連の機密情報を削除するよう指示したという。これは監査院による最近の監査で分かった。その後国防部は就寝中だった実務担当者を呼び、イさん越北との見方と矛盾する60以上の情報を削除した。本紙の取材によると、徐旭前長官は削除を指示する際、その原本に相当する韓国軍の「7時間傍受原本」も同時に削除するよう指示したとする複数の供述を検察と監査院はすでに確保したという。その際、担当の部隊などが「原本削除は今後問題になる恐れがある」と反発したため削除は未遂に終わったようだ。

 この事件で取り調べを受けている徐薫(ソ・フン)元青瓦台安保室長と朴智元(パク・チウォン)元国家情報院長は今年10月に会見を開き「傍受記録の原本は今も存在する」「(真相を)隠蔽(いんぺい)するため記録を削除したとの主張は成立しない」と主張した。その一方で記録削除については「無用な情報の拡散を防ぐためのセキュリティー維持の努力」とも訴えた。原本が存在することは事件の隠蔽や捏造がなかったことを示す重要な根拠とされたのだ。しかし原本削除の指示があったとの供述が出てくれば、前政権がこの事件をイさんの越北に仕立てようとした隠蔽・捏造疑惑がさらに説得力を持つようになる。

 徐旭元長官は検察と監査院による聴取に「当時青瓦台のセキュリティー指針を下に伝えただけであり、削除を指示したことはない」という趣旨の供述を行っているという。徐旭元長官の弁護団は本紙の取材要請に応じなかった。

チョ・ベッコン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲徐旭(ソ・ウク)元韓国国防部長官(写真=NEWSIS)

right

あわせて読みたい