米連邦議会上院と下院の軍事委員会が2023年度の国防授権法(NDAA)合意案を確定し、7日(現地時間)にその内容を公表した。これには「在韓米軍は現在の水準を維持し、全ての力量を動員し韓国に拡張抑止を提供する」と明記されている。NDAAは米国の国防・安全保障予算に関する法律で、2023年度の予算は総額8579億ドル(約117兆2000億円)に達する。早ければ8日に下院が先に採決を行い、来週ごろには上院での採決も行われる見通しだ。
米議会はインド・太平洋地域の防衛に向けた同盟とパートナーシップを明確にした上で「国防長官は中国との戦略的競争において米国の比較優位を拡大するため、同盟国との同伴者関係強化に向けた努力を継続すべきだ」と指摘した。またこれら一連の努力について「約2万8500人の在韓米軍兵力を維持し、1953年に署名された韓米相互防衛条約に見合うようあらゆる防衛力を動員することで米国の拡張抑止の約束を確認することが含まれている」とも説明した。バイデン政権は在韓米軍運用のための予算として6775万6000ドル(約92億5890万円)を求めたが、これは削減せず最終合意案にそのまま反映された。
法案成立後180日以内に米政府は北朝鮮による抑圧と検閲に対抗し、北朝鮮住民にさまざまな情報を伝える戦略を取りまとめ、これを議会に報告するよう義務づけることも明記されている。これは2015年に北朝鮮を旅行中に拘禁され、その後死亡した米国人大学生オットー・ワームビアさんを追悼するため「オットー・ワームビア北朝鮮検閲監視対応法」という別名が付いた条項だ。
米議会は台湾が中国の侵攻を抑止あるいは必要な場合に撃退できる力を持てるよう支援するため、今後5年で総額100億ドル(約1兆4000億円)の予算を配分した。台湾による米国の兵器購入後押しのために国務省が来年から2027年まで毎年20億ドル(約2700億円)を台湾に支援できるよう承認したのだ。
ただし米政府と契約する企業などに対し、遅くとも2年以内に中国製半導体の使用を中止するよう定めた条項については「今後5年以内」へと緩和した。中国製半導体を使用する一部米国企業の反発を受け入れたようだ。
ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員