北のIT技術者が国籍を偽装して外貨稼ぎ、韓国企業に注意喚起

韓国外交部など七つの機関、身元確認の徹底を指示

北のIT技術者が国籍を偽装して外貨稼ぎ、韓国企業に注意喚起

 韓国外交部(省に相当)、国家情報院、公正取引委員会、警察庁など七つの政府機関は8日、北朝鮮IT技術者への警戒を強めるよう韓国企業などに呼びかけた。北朝鮮は暗号通貨のハッキングなどさまざまなサイバー犯罪で外貨を稼ぎ、これが核開発やミサイル挑発の資金源になっていると指摘されている。そのため韓国企業に対しても国籍や身元を偽装した北朝鮮のIT技術者を雇用しないよう確認手続きの強化などを求めたのだ。

【表】国籍や身元を偽った北朝鮮IT技術者の特徴

 韓国政府はこの日「北朝鮮のIT技術者などが海外の各地に滞在し、国籍や身元を偽って世界のIT企業から仕事を受注することで毎年数億ドル(数百億円)の外貨を稼いでいる」「これらIT技術者の多くは国連安保理の制裁対象となっている軍需工業部や国防省に所属しており、上納された収益は北朝鮮の核・ミサイル開発に使われている」と説明した。北朝鮮IT技術者への警戒が求められるのは今年5月の米国に続き韓国が2番目だ。

 韓国と米国の情報当局は「現在数万人の北朝鮮IT技術者が中国、ロシア、東南アジア、アフリカなどを拠点に業者と直接契約する形で外貨を稼いでいる」として警戒を続けている。制裁の影響で北朝鮮は建設労働者などの派遣が難しくなったため、このような新たな資金源を見いだしたのだ。特定の外国人の個人情報を使って求人・求職サイトやSNS(交流サイト)のIDを作り、フリーランスとなるやり方が一般的だ。画像で面接や交渉を行う際、少額で買収した外国人を表に出すケースもあるという。

 韓国政府関係者は「24時間アクセスを続けるなど長く作業を行い、また比較的安い価格で受注するのが特徴」と説明した。ある北朝鮮IT技術者は日当として50ドル(約6800円)で仕事に応じるなど、コストパフォーマンスを強調するやり方で営業を続けているという。米国務省によると、その場合でも平均で1人当たり年間30万ドル(約4100万円)を稼ぎ、一般的な北朝鮮労働者の収入の10倍以上を稼いでいるようだ。また別の情報筋は「短い時間に複数のIPアドレスを使うとか、あるいは中国系の銀行口座や中国につながる電子決済システムをよく利用する場合も北朝鮮との関係性を疑った方がよい」と伝えた。

 韓国国内では今のところ被害は報告されていないが、情報当局は偽装した北朝鮮IT技術者が仕事を受注するため韓国企業に接近してきたケースを把握している。韓国外交部の関係者は「求人・求職サイトの本人確認手続きを事前にチェックしたところ、北朝鮮IT技術者が身元を偽り韓国企業からIT関連の仕事を受注するのは可能と判断している」「より一層警戒を強めることを期待している」とコメントした。

 北朝鮮IT技術者に仕事を発注し報酬を支払う行為は国連安保理の北朝鮮制裁違反となり、また南北交流協力法で処罰を受ける可能性も高い。ただし善意の被害者には救済措置もあるため、不法が疑われる場合は直ちに警察や外交部などへの通報が求められる。上記の外交部関係者は「米国や日本をはじめ友好国と緊密に協力するなど外交面でも努力していきたい」との考えも示した。

 サイバー攻撃について調査し公表するグーグルのTAG(Threat Analysis Group、脅威分析グループ)チームは7日(現地時間)に報告書を公表し、その中で「北朝鮮は梨泰院惨事を悪用した言葉で誘導し、サイバー攻撃を行っている」と警告した。グーグルによると、北朝鮮のハッカー組織「APT37」が「竜山区梨泰院事故対応状況- 2022.10.31(月) 06:00現在」というファイル名の文書に悪性コード(プログラム)を植え付け、これを拡散しているという。梨泰院惨事に対する一般の幅広い関心を利用し、これによって悪質なサイバー攻撃を続けているのだ。

キム・ウンジュン記者、イム・キョンオプ記者

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