最近、野党・共に民主党寄りの大型インターネット・コミュニティー・サイトにはサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会韓国代表たちに対する苦言や不満を吐露した書き込みが多数寄せられている。中でも、チョ・ギュソン選手の写真共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「インスタグラム」には9日現在、行き過ぎた非難の言葉やアンチコメントが数十件投稿されている。その理由は、前日の8日、大統領府迎賓館の夕食会で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫妻と仲の良い姿を見せたからだ。
尹大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人は8日、ベスト16入りした韓国代表チームを大統領府迎賓館に招待して食事を共にした。歓迎夕食会には主将ソン・フンミン選手をはじめとする韓国代表21人とパウロ・ベント監督らコーチ陣、支援スタッフらが出席した。
この夕食会の予定が伝えられると、開始前から選手らに対して、野党寄りの人々からネット上で圧力がかかり始めた。「出席するな」ということだ。その口実は「梨泰院事故」だった。
ツイッターには「サッカー韓国代表たち、お願いだから今日は夕食会に行かないで。あなたと同じ年齢の人たちは国に殺された」「イランのサッカー選手たちを見ろ。自分の国の暴政に対して明確な政治的意思を表明したじゃないか。あなたたちは決して子どもではない」などと書き込み、何度もリツイートして拡散した。イラン代表たちはW杯カタール大会で国歌を歌うことを拒否し、反政府デモへの支持を表明した。
しかし、夕食会は日程通り開催された。そして、夕食会の会場で撮影された尹大統領夫妻と選手たちの和気あいあいとした自撮り写真が話題になった。
これに対して、一部の人々は選手たちのSNSの個人アカウントに直接、アンチコメントを投稿した。ターゲットになったのは金建希夫人と自撮りしたチョ・ギュソン選手だ。チョ・ギュソン選手のインスタグラムには「建希と自撮りしたいのか? ちょっとは考えろ」「体ばかりデカくしていないで、頭の中身も少しは詰めろ」などのコメントが数十件以上投稿された。
共に民主党寄りのコミュニティー・サイトにも選手たちに対する不満をつづった投稿が多数寄せられた。「サッカー韓国代表選手たちは自撮りで楽しそうに遊んでいましたが、これは本当に私が応援した選手たちですか?」「サッカーがうまくて、今回(W杯)本大会に進出して、全部いいことなんだけど、最低限の政治・社会・歴史くらいは教育しておいてほしい」「夕食会を断った選手が1人もいないなんて。心の底から失望した」などの投稿だ。こうした投稿には同調するコメントも寄せられた。
あるネットユーザーは、日本により植民地支配されていた時代のマラソン選手・孫基禎(ソン・ギジョン)が1936年のベルリン五輪で金メダルを取りながらも、悲しげな表情で表彰台に立ったことに言及し、「サッカー韓国代表の皆様は楽しそうだな」と皮肉った。
一方、趙賢祐(チョ・ヒョヌ)、黄仁範(ファン・インボム)、金英権(キム・ヨングォン)、羅相浩(ナ・サンホ)、白昇浩(ペク・スンホ)選手らは大統領府迎賓館での夕食会で撮った写真をインスタグラムにアップロードし、ベント監督らに感謝のメッセージをつづった。チョ・ヒョヌ選手は大統領室が渡した「尹大統領時計」の写真を掲載した。
キム・ミョンイル記者