相変わらず韓国冷遇? 米アップル社ティム・クックCEO、韓国を素通りして訪日(下)

■韓国は10年間で一度も訪れず

 クックCEOが日本を訪問した同日、韓国の慶尚北道浦項市にあるアップル製造業研究開発(R&D)支援センターでデベロッパーアカデミー教育の第1期修了式が行われた。出席者はアップルの中核技術部門シニアディレクターを務めるジョン・ソウ氏、デベロッパーアカデミー総括ディレクターのゴードン・シュクウィット氏、アップルコリアのマーク・リー社長にとどまった。アップルのデベロッパーアカデミーは2013年のブラジルを皮切りに、インドネシア、イタリアなど全世界17地域に開設されたが、東アジア地域では韓国が初めてだ。

 クックCEOは就任してから10年以上、韓国は一度も訪れていない。最高執行責任者(COO)だった当時は、韓国を訪問している。2010年には当時の権暎寿(クォン・ヨンス)LGディスプレー社長(現LGエナジーソリューション副会長)と京畿道坡州市にあるLGディスプレー工場を訪れ、リンゴの木を植えた。木には「iPhone」、「iPad」、「マックブック」、「アイマック」と命名し、両社の強い関係を誓った。

 クックCEOは16年と19年にも日本を訪問したが、韓国に立ち寄らなかった。特に16年には中国を経て日本を訪れた。世界最大のスマートフォン市場である中国と心強いパートナーである日本は訪れたが、韓国は日程から外した。16年には日本の安倍晋三元首相や任天堂、日本の移動通信会社の経営陣と会い、コンテンツとモバイル決済分野での協力策について議論したとされる。クックCEOの訪日後、日本ではモバイル決済サービス「アップルペイ」が導入された。韓国市場ではこれから6年後の今になってようやくアップルペイ導入が議論されている。

 韓国市場はサムスン電子が掌握している市場なので、アップルにとっては相対的に重要度が劣るかもしれない。韓国市場でギャラクシー販売シェアは70%に迫るのに対し、iPhoneのシェアはは20%台だ。業界関係者は「アップルが韓国市場だけを疎かにしているという指摘が相次ぐ状況で、クックCEOのこうした動向は好ましいとは受け取られない」と話した。

 今回iPhone14が発売された際、アップルは米国での価格は据え置く一方、各国の為替レートを適用して価格を決定。韓国市場で特に割高に設定された。アップルはウォンの対ドル為替レートを1ドル=1420ウォンとして価格を定めたと推定されるが、iPhone14の韓国での販売価格が発表された9月初めの為替レートは1380ウォン台だった。iPhone14 Pro(128GB)の韓国での価格は155万ウォン(約16万1800円)なのに対し、日本での販売価格は14万9800円、韓国ウォンで約143万5000ウォンだ。

ピョン・ジヒ記者

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