小児科専攻医が足りない韓国、入院診療やめた病院も…「低報酬で責任重大、誰も志望しない」(下)

吉病院、小児入院病棟の運営を中断…2022年の小児科専攻医競争率は0.16倍
「報酬は低いのに、ささいなことで訴えられる…誰も小児科医をやりたがらない」

小児科専攻医が足りない韓国、入院診療やめた病院も…「低報酬で責任重大、誰も志望しない」(下)

 小児青少年科はこれまで高品質・低報酬、いわゆる「薄利多売」型の診療で命脈を保ってきた。韓国の小児青少年科の健康保険診療報酬は先進国に比べ3分の1の水準だ。全く同じ手術であっても、子どもは大人より手がかかるのに、診療報酬は同じ。薬や検査も子どもに合わせて小さいものになるため、収入も少ない。病院の立場からすると、小児患者が多くなればなるほど赤字が増える構造だ。さらに、新型コロナ問題で子どもたちの活動量が減り、小児科の診療が40%以上も急減して小児科クリニックの閉院も続出した。

 こうした中で少子化の風潮が加速し、「大切な息子」の待遇に不満を抱いた保護者がささいなことでも激しく抗議してくるようになり、小青科専門医の精神的負担を増やしたという指摘もある。ある40代の小児科専門医は「人口が減って小児青少年科の未来はないという声は10年前からあったが、今のように志願が著しく減ったのは、2017年の『梨大木洞病院新生児集団死亡事故』が大きな影響を及ぼした」と伝えた。当時、事故の責任を問われて医師たちが逮捕され、法的な攻防が展開する過程を見守っていた医大生らが、小児青少年科を忌避するようになった-という説明だ。「仕事は2倍きつく、待遇は最低、リスクも2倍以上だから、国家的には重要でも個人としては小児科を選ぶ理由がない」というわけだ。

 現在、上級病院の救急室では、患者が15歳以上であれば応急医学科、15歳未満であれば小児青少年科の専攻医が1次診療を受け持つ。救急室の当直をしなければならない小児青少年科の専攻医が足りなくなると、最終的に小児救急診療に空白が生じることは避けられない。小児の場合、ゴールデンタイムは「20分」。赤ちゃんが苦しんで慌てて病院に連れていったとしても、20分はかかる。その上「専門医がいない救急室」が多くなったことで、受け入れてくれる病院を探してさ迷い、2022年2月には新型コロナにかかった生後7カ月の赤ちゃんが亡くなるという事件もあった。2022年9月に行われた韓国各地の修練病院の実態調査によると、24時間正常に小児青少年科の救急診療ができている修練病院のうち、65%が今年から(小児・青少年に対する)救急診療、病棟診療、重患者診療の順で診療規模を縮小する計画だ。

 吉病院は、ひとまず今年3月に専門医の充員が行われれば入院患者診療を再開する方針だが、充員を確信できず戦々恐々としている、4年目の専攻医が専門医資格を取って医局(医師たちが集まっている部屋)を離れる今年3月には、一時的に「小児診療の大混乱」が起きることもあり得るという不安感も広がっている。キム・ジホン理事長は「既に地方では、小児がんなど難しい重症診療は補助人員がいないため正常に診療ができず、ソウルの大病院に送っている」とし「少子化の国で子どもの命を安全に守ってやれなかったら、誰が子どもを生もうとするだろうか」と問い返した。小児青少年科は必須医療にとどまらず、国が備えるべき必須のセーフティーネットだという訴えだ。

キム・ギョンウン記者

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