「20年のお祭り騒ぎ」は終わった…中国の不動産、日本型バブル崩壊の阻止に総力(下)

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■「日本より深刻なバブル崩壊も」

 中国は不動産が国内総生産(GDP)に占める割合が25%に達する。住宅ローンが銀行融資に占める割合も30%を超える。不動産は鉄鋼、化学、家電、家具など関連産業に及ぼす影響も大きく、専門家はバブル崩壊が中国経済の危機につながりかねないと分析している。日本の経済産業研究所(RIETI)のコンサルティングフェロー、関志雄氏は2022年2月の報告書で「中国の鉄鋼生産量の59%が不動産分野で消費される。不動産市場の下落は実体経済と金融に大きな影響を及ぼすだろう」と指摘した。

【表】中国の土地売却収入の推移

 中国の不動産が1990年代初めの日本のバブル崩壊と同様に「失われた20年」の泥沼に陥る懸念も示されている。過度な不動産バブル、米中貿易摩擦、人口の急激な高齢化などがバブル崩壊当時の日本と似ているからだ。米ロングアイランド大学のパノス・ムドクタス教授は7月、インターナショナル・ビジネス・タイムズへの寄稿で「中国の不動産はバブル崩壊直前だ」とし、「中年人口の減少と急激な高齢化など人口面で不利で、日本より深刻なバブル崩壊を経験する恐れがある」と書いた。

 一方、関志雄氏は「バブル崩壊当時、日本は先進国だったが、中国は依然として発展途上国だという点に差がある」とし、「バブルが崩壊しても5%前後の成長率を維持すれば『失われた20年』のような長期沈滞は経験しないだろう」と予測した。

■地方政府も非常事態…財政収入の42%占める土地売却急減

 中国の不動産業者が資金難に苦しめられた2021年、地方政府は分譲住宅を相場より安い価格で分譲することを禁止する「分譲価格下限制」を相次いで導入した。業者が相場より20-30%安い価格で物件を値引き販売することに待ったをかけたのだ。

 地方政府が分譲価格下限制を導入したことはそれなりの理由がある。国有地を不動産開発業者にマンション開発用地として売却する「土地譲渡金収入」が年間の地方財政の40%以上を占めるためだ。地方政府の財政事情が不動産にかかっているため、相場下落を放置することはできない。

 土地譲渡金収入が地方財政収入に占める割合は2021年時点で41.5%に上った。浙江省、江蘇省など経済が発達した東部沿岸地域では50%を超えるところもある。

 改革開放政策が始まった深セン市で1982年に土地譲渡金が収入として初めて計上されて以降、その規模は毎年大幅に増加してきた。2020年には前年比15.9%増の8兆4142億元となり、初めて8兆元を超えた。しかし、不動産危機が本格化した21年には増加率が3.5%まで鈍化し、2022年上半期は2兆3622億元で前年同期に比べ31.4%も急減した。

 地方財政は市民生活と直結する。コロナ対策費用はもちろん、老齢年金や医療保険のような福祉予算も全て地方財政が負担する。

 不動産景気が悪化し、土地譲渡金収入が減り、地方政府の財政は赤字が雪だるま式に増えている。中央と地方を合わせた中国の財政赤字は年初来9月までに7兆1600億元となり、前年同期(2兆6000億元)の3倍に達した。

崔有植(チェ・ユシク)朝鮮日報東北アジア研究所長

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