ソウル市恩平区まで南下した北の無人機、8年迎撃準備してきた韓国軍は5時間で1機も撃墜できず

5機のうち1機はソウルにまで侵入…仁川・金浦空港は1時間にわたり運航停止

 北朝鮮の軍用無人機5機が26日、ソウル北部や京畿道金浦・坡州、仁川市江華島一帯など韓国領空を5時間にわたって侵犯した。韓国軍は戦闘機や攻撃型ヘリを出撃させ、警告放送・警告射撃に続いて撃墜作戦を行うなど対応措置に乗り出したが、北の無人機を1機も撃墜できなかった。北朝鮮の無人偵察機の領空侵犯は以前にもあったが、複数同時に軍事境界線(MDL)を越えて韓国領空を引っかき回していくのは初めてだ。これにより仁川空港および金浦空港で1時間近く航空機の離陸が停止され、合計およそ30便に遅延が生じたというのも前例がない。韓国軍はこの日、北朝鮮の無人機の撃墜に失敗しただけでなく、作戦に動員された空軍のKA1軽攻撃機1機が離陸後、江原道横城の農耕地に墜落するなど備えのもろさを露呈した。

【写真】墜落した韓国空軍KA1軽攻撃機

 韓国軍の合同参謀本部(合参)によると、全長2メートル以下の北朝鮮の小型無人機5機が26日午前10時25分ごろ、京畿道金浦一帯でMDLを越え、韓国領空を侵犯した。このうち1機は恩平区などソウル北部上空まで侵入し、残る4機は仁川市江華島、京畿道坡州・金浦一帯を午後3時30分まで徘徊(はいかい)飛行した。韓国軍は領空を侵犯した北の無人機に対して戦闘機、軽攻撃機などで対応に乗り出した。攻撃型ヘリの20ミリ機関砲でおよそ100発の射撃も加えた。しかし、北の無人機の撃墜には失敗した。韓国軍関係者は「民家に被害が出る恐れがあり、撃墜のチャンスをつかむのが難しかった」と語った。代わりに韓国軍は同日、韓国の無人機2機をMDL以北に侵入させて北朝鮮軍の主要軍事施設を撮影した。北朝鮮による今回の挑発は9・19南北軍事合意を無力化する、また一つの事例だ。ソウル上空まで侵入した北の無人機1機はMDLを越えて北へ戻っていき、残る4機の航跡は江原道一帯で消えた。

 合参戦備態勢検閲室は27日、現場の各作戦部隊を訪問して作戦全般についての措置や経過を確認する計画だという。合参のイ・スンオ作戦部長は「北朝鮮による領空侵犯は明白な挑発行為で、韓国軍は自衛権の次元から直ちに対応した」とし「北朝鮮の挑発に対しては、今後も徹底かつ断固として対応する」と語った。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

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  • ▲北朝鮮の軍用無人機が26日、京畿道金浦市の韓国領空を侵犯した。写真は領空侵犯したものと類似の機種で、2017年6月に江原道麟蹄郡の野山で発見された。/写真=聯合ニュース
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