北朝鮮が、「嫌韓助長法」と言える「反動思想文化排撃法」の制定後、平壌でも韓流掃討戦を繰り広げ、平壌市の西城区域だけでもおよそ1000人の関連犯罪者が自白したことが確認された。26日に本紙が入手した「首都からありとあらゆる反社会主義、非社会主義現象を払いのけるための闘争をさらに高い強度で繰り広げていこう」というタイトルの動画に、こうした内容が出てくる。
北朝鮮当局が住民宣伝・教養のため今年上半期に制作したとみられるこの動画の前半では「社会的に一層甚だしく現れている反社会主義、非社会主義的行為を制圧し、厳格に統制することは、こんにちわれわれの前に重大な課業として現れています」という金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(党総書記)の指示が引用された。
続いて、平壌市で進められている反社会主義・非社会主義掃討の状況が各区域別に具体的に紹介されている。
故・金日成(キム・イルソン)主席の生家がある万景台区域では計140件の反社会主義・非社会主義犯罪行為を摘発・処罰したと明かした。動画では「万景台区域では毎週、イルクン(活動家)によって群衆政治事業や、前科者・女小者(女性と子供)に対する教養分工(分担作業)を与え、執行情形(状態)と反社会主義・非社会主義闘争関連分野において提起される諸問題を正常に総話し、イルクンが原則性と階級性・献身性を持って事業を行うようにしている」と伝えた。
また「法イルクンらが、人跡まれな場所まで調べてみるよう具体的な分工を与え、夜間巡察を二重三重に強化することで犯罪者らが横行できなくしており、順法教養と住民政治事業を活発に繰り広げ、あらゆる単位で自衛警備体制を徹底して打ち立て、労働者と住民が申告事業に徹底して参加するようにしている」とも主張した。平壌出身の元高官の脱北者A氏は「夜間のパトロールを二重三重にするというのは、平壌市で各種の犯罪行為がまん延していることを意味する」とし「金正恩は、平壌も安全ではないと恐れを抱いているものとみられる」と語った。
さらに、西城区域では反社会主義・非社会主義を根絶するための宣伝扇動事業の結果、およそ1000人の住民や学生が過去に犯した違法行為を反省し、自白したと明かした。
北朝鮮の事情に詳しい消息筋は「他の動画では、反社会主義・非社会主義で摘発された平壌市住民の身元や罪名を具体的に明らかにしている」とし「恐怖の雰囲気を造成し、韓流を本から断とうとするもの」と語った。
北朝鮮は、「南朝鮮映像物を流布したときは死刑」など極端な処罰条項を含む反動思想文化排撃法を2020年12月に制定した後、全国的に大々的な韓流掃討に乗り出した。
しかし、北朝鮮当局の強力な統制にもかかわらず、北朝鮮内部では韓流が広がっていると伝えられている。統一メディアセンターは今年10月に発表したアンケート調査で、韓流に対する処罰が強化されても、コンテンツを楽しめる機器が多様化したことで、むしろ北朝鮮の青年層を中心に韓国コンテンツの需要が増加していると明かした。
キム・ミョンソン記者