こうした理由により登場したのが、「ソフトキル(soft kill)」方式だ。探知したドローンを無力化し、捕獲する技術だ。妨害電波や高出力レーザーを用いて、ドローンが操縦者からの信号や衛星利用測位システム(GPS)の信号をキャッチできなくする「ジャミング(jamming)」が代表的。また、ドローンを制御する固有の周波数を探知して、これを奪取し、強制的に着陸させる「スプーフィング(spoofing)」もソフトキルに含まれる。
2019年にフランス空軍は、新たなやり方のソフトキル訓練を実施した。ドローン制圧作戦に4羽のイヌワシを動員した。ワシが空中でドローンを発見し、つかんで安全な場所まで持ってきたら、ワシに肉を与えることで、これをドローンの一部だと思うように訓練したのだ。ドローン関連の問題で頭を悩ませていたオランダ警察も、ドローン捕獲を目的としたワシの訓練法を導入した。
米国では、「トリモチ」を使ってドローンを撃墜する方法も研究している。各種の先端技術を発掘している米国防総省傘下の国防高等研究計画局(DARPA)は昨年、移動部隊防護事業の一環として新概念のドローン迎撃システムのテスト映像を公開し、注目を引き付けた。迎撃機から発射された、べたべたするピンク色の液体で標的ドローンのローターを停止させ、墜落させるというわけだ。
「網」もドローンを捕らえるのに動員された。英国企業オープンワークスがお披露目した「スカイウォール(SkyWall)」は、網が入った砲弾を発射してドローンを捕獲する。砲弾から切り離された網が広がってドローンを包み、落下傘を利用してゆっくり落とすという法式だ。ドローンから網を発射して相手のドローンを「空対空」で捕獲する「ドローン・キャッチャー(Drone Catcher)」も、オランダのIT企業が開発したソフトキル手法の一つだ。
キム・ミョンジン記者、チェ・ヘスン記者