尹大統領が言及した中・大選挙区制、与党幹部は「日本は導入後に廃止」と慎重議論要請

 韓国与党、国民の力の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)非常対策委員長は5日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が言及した中・大選挙区制の導入論について、「(現行の)小選挙区制の弊害を痛感しているが、中・大選挙区制の問題点は我々がよく理解できていない」とし、慎重なアプローチが必要だと述べた。尹大統領が所信を表明した政治課題だが、議論が本格化する中で、与党がスピード調整を行っている格好だ。

 ブラジルを訪問している鄭委員長は同日、フェイスブックを通じ、「日本は小選挙区制から出発し、中・大選挙区制に移行したが、(1994年に)小選挙区制に戻った」とした上で、「(選挙区ごとに)2人から5人を選ぶ中・大選挙区制を導入したことで、公認権を得るための党内派閥政治が深まった。その弊害を防ぐために小選挙区に戻り、派閥政治が緩和された」と説明した。中・大選挙区制への転換が無条件に正解ではないという趣旨だ。

 鄭委員長は「選挙区を広域化し、複数の国会議員を選ぶならば、行政区域改編が共に議論されなければならない」とし、現行の小選挙区比例代表並立制を元の状態に戻す作業が先決だとした。政界は前回の総選挙で「比例衛星政党」を生んだ現行制度を変えるべきだと点ではほぼ一致している。

 与党指導部をはじめ、親尹系議員も中・大選挙区制の導入に乗り気ではない。親尹系の再選議員は「中・大選挙区制はむしろ地域既得権を強め、二大政党制をあおる可能異性がある。大統領の発言は中・大選挙区制を導入するにしても、都市と農村の特性に合うようにすべきだという意味と理解している」と話した。

 これについて、劉承ミン(ユ・スンミン)元議員は「尹大統領に近い議員たちは全員が口を閉ざしている」とし、「自分の地盤の既得権益を守ろうとしている」と批判した。共に民主党の趙応天(チョ・ウンチョン)議員はKBSラジオの番組「チェ・ギョンヨンの最強時事」に出演し、「今何かけちをつける人は既得権を手放したくない方々だ。ビトクラシー(機能不全に陥った派閥政治)を中・大選挙区制で打破すべきだ。今のような敵対的共生関係では一歩も前進できない」と述べた。

 国会政治改革特別委員会は11日に政治関係法関連第2小委員会、26日に全体会議などを開き、中・大選挙区制など選挙制度改革関連の議論を進めることにしている。まず、比例代表並立制の修正を前提に、さまざまな選挙制度に対する検討を行うとみられる。

金慶和(キム・ギョンファ)記者

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