【コラム】金正恩総書記、健康には核兵器より「白米と肉のスープ」がいいですよ

金日成親子の死亡原因は心筋梗塞
経済難のストレスが雷管となるか
核開発により深刻な経済難

 こうした家系を受け継いだ金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、高度の肥満に酒やたばこが大好きという。祖父や父よりもストレス管理に気を使わなければならない。金正恩総書記の人生最大のヤマ場は2019年2月だった。ハノイまでの4500キロを列車で66時間旅行する余裕を見せた。「手ぶらでの帰還」は誰も想像できない衝撃だった。平壌行きの列車の中で「一体何のために、このような列車旅行を再び行わなければならないのか」と怒りをあらわにした。

 最近の金正恩総書記の核暴走は、ハノイの屈辱を繰り返さないための布石だ。次回の対米談判に向け必勝カードにするといった計算だ。ところが、数日前の全体会議での発言は意外だった。「2022年が決して無意味ではない時間であり、明らかに私たちは前進した」と語った。同意しない人々を説得する口調だった。また「敗北主義を清算するために闘争してきたにもかかわらず、古い思想が経済労働者の中にまるで慢性病のようにはびこっている」と話した。決まりが悪かったようだ。

 金日成主席・金正日総書記の晩年を押さえ込んだのは経済難と事なかれ主義の官僚たちだった。共和国外交の金字塔とも言うべき核拡散防止条約(NPT)脱退とジュネーブ合意も、米国帝国の鼻をへし折ったという核とミサイルも、全ては無駄だった。核が多くなるほど「ごちそう」は遠ざかり、面従腹背(うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わないこと)がまん延するだろう。談判が再び開かれるとしても、米国が気軽に体制保障と経済補償をしてくれるかどうかは断言できない。金正恩総書記も、もうすぐ40歳を迎える。2回目のノーディール(失敗)は、非常にしのびがたいものとなるだろう。核だけを見つめることが果たして最善なのかどうか、真剣に悩む時だ。場所としては暖かい元山の別荘(金総書記は元山に別荘を持つ)がおすすめだ。

イ・ヨンス論説委員

【写真】金正恩総書記、娘と一緒にICBM功労者を激励

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