文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が手放した北朝鮮原産の豊山犬2匹を受け入れた光州広域市が、2匹の飼育関連費用として1億5000万ウォン(約1550万円)の補正予算を組んでいることが分かり、「税金の無駄遣いだ」と批判の声が上がっている。文前大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記から贈られて青瓦台で飼っていた豊山犬「コミ」と「ソンガンイ」を昨年政府に返還。その後、光州市の牛峙動物園が昨年12月9日に2匹を引き取って管理している。
【動画】獣医師と散歩する「コミ」と「ソンガンイ」(11月9日撮影)
光州市によると、同市は年初の補正予算案に「コミ」「ソンガンイ」の健康管理費や血液分析器の購入費用など総額1億5000万ウォンを計上する方針だ。
健康管理に必要な医療機器などは約5000万ウォンで、血液分析器、歯科関連器具およびレントゲン、微生物培養器などが含まれる。コミは膀胱結石の治療が必要で、手術の可能性もある。歯科関連器具は2匹の歯石除去に使われる。
さらに、盗難防止用の監視カメラ設置、芝の遊び場造成、既存の豊山犬3匹を合わせた計5匹を飼育するための室内飼育場の拡張費用も含まれる。飼育場など環境造成には1億ウォンが投じられる予定だという。
これについて光州市の関係者は、「コミとソンガンイは突然やってきたため、長期的に管理するための運動場や飼育場が必要。また医療機器はほかの動物にも使用できる」とした上で「予算1億5000万ウォンは今年限りの予定」と説明した。
しかし、この予算案をめぐり、インターネット上ではさまざまな意見が飛び交っている。「犬たちが元気に育ってくれれば」という肯定的なコメントもあるが、主に批判的な意見が多い。あるネットユーザーは「犬の命と健康も大切だが、検査なら他の動物病院にお願いすることもできるのに、検査機器に1億5000万ウォンもの国民の血税を投じるとは理解できない」と指摘した。また、別のネットユーザーは「やり過ぎではないか。犬の居場所を作るのは理解できるが、病気なら動物病院に行けばいい。何故わざわざ高価な機器を購入するのか」と疑問を呈した。
波紋が拡大すると、広州市の関係者は、この案が動物園側の構想にすぎないとして「費用をできるかぎり削減する案を検討する」と話した。
チュ・ヒョンシク記者