中国人の英語力が世界62位にまで低下した理由とは

中国政府が2021年から英語教育を規制

 「小学校では英語の時間が半分に減りました」

 中国上海で外資系企業に勤めるチャンさん(38)は今月2日「中国の学校では今後児童生徒の英語教育に力を入れなくなる」と語る。小学校2年生のおいが通う学校では昨年から英語の授業時間が週4回から2回に減った。他の都市や地域でも同じだ。吉林省のある小学校教師によると、教育当局の方針に従い小学校6年生の英語の時間がそれまで週6回だったのが昨年から週4回に減ったという。しかし学習する量は変わっていないため授業の質は低下しているようだ。

 中国で英語教育が急速に縮小し、中国の児童生徒たちは英語力が一気に低下している。国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」による世界112カ国の非英語圏諸国を対象にした英語力評価で中国は62位だった。同じ調査で中国は2020年38位、21年49位とここ数年低下傾向が顕著になっている。ちなみに韓国は36位だった。香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストは「今回の評価で中国は幼い年齢ほど英語力が低いことが分かった」と報じた。

 中国は2021年7月、「児童生徒を苦しめる宿題と塾の二つの負担軽減」を目指す「双減政策」を発表したが、その結果、小中学校の児童生徒は法定休日、週末、夏休みや冬休みも塾に通えなくなり、平日の学習時間が制限されるようになった。この政策で最も大きな打撃を受けたのが英語教室だ。昨年2月には大手の英語スクールが高校生クラスも大幅に減らした。

 中国政府は学校教育における英語の比重も下げている。昨年8月に上海市当局は市内の小学3-5年生の英語授業で月末試験、中間試験、期末試験を廃止した。また湖南省、吉林省、河南省なども英語の時間を縮小する方針を相次いで発表している。昨年9月に中国教育部(省に相当)は「小学校の外国語(英語)授業時間が占める割合は全体の6-8%と非常に低く、中国語(20-22%)や美術・体育(10-11%)と比べても顕著に低い」と明らかにした。

 中国における英語教育の縮小については「米中対立が激しくなる中で欧米の思想やイデオロギーの広がりを阻止することが目的」との見方がある。中国は1978年に改革・解放政策が始まって以来、外の世界と交流を持つため英語教育に力を入れてきた。1990年代には「クレージー・イングリッシュ」という英語のテープ・ビデオ教材が全国で急速に普及し、また2008年の北京オリンピック前にはタクシードライバーたちを対象に団体で英語講座が行われた。2010年代には中国の高校生が最も好む課外活動は英語で行われる「模擬国連」だった。ところが中国の国際的な影響力が高まり米中競争が激しくなると、中国政府は欧米の文化や情緒を伴う英語を排斥しようとしているのだ。

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