金浦の怪しいパーティールーム、「大麻の巣窟」だった

18万人が使用できる量を摘発
栽培・販売・使用まで「ワンストップ」

 京畿北部警察庁麻薬犯罪捜査隊は昨年10月「室内で大麻を栽培するグループが存在する」との情報を入手し、京畿道金浦市のある倉庫を一斉に家宅捜索した。警察が現場に行くとこの倉庫はドラムやピアノなどの音響機器、自動車ゲーム、飲料用冷蔵庫などがある「パーティールーム」だった。驚いた警察官たちが片隅にあったドアを開くと中はLED(発光ダイオード)ランプ、換気設備、温度計などが設置された温室で、そこでは117株の大麻が栽培されていた。この倉庫から18万人が同時に使用できる量の大麻草13キログラムと乾燥大麻5.3キログラムが押収された。パーティールームの経営者の男(42)とそのグループはこの場所で大麻の栽培から販売、使用まで行っていたことが捜査によって明らかになった。

 警察庁国家捜査本部によると、昨年1年間にこのグループを含め1万2387人が麻薬関連の犯罪で検挙されたという。それまでは2020年の1万2209人が過去最多だったが、昨年はそれを上回り、最多記録を更新したのだ。中には今回のように大麻などを直接栽培するケースも増えており、さらにクラブや歓楽街などで麻薬犯罪で検挙された人数も454人と前年同期の161人に比べて一気に3倍に増えた。昨年7月にソウル市江南区駅三洞のある飲食店では客ら5人と酒を飲んでいた30代の女性従業員と20代の客が覚醒剤を過度に使用し死亡する事件も発生した。

 SNS(交流サイト)やネットを通じた麻薬取引が活発に行われている影響で、未成年者が麻薬犯罪で検挙されるケースも増えている。昨年警察に拘束された10代の薬物使用者は294人で、5年前(2018年)の104人からこれも約3倍に増加している。

 昨年は高校3年生だった17歳の少年3人がセキュリティー性の高いメッセンジャーアプリ「テレグラム」を使って覚醒剤などを販売し、仁川警察庁広域犯罪捜査隊に摘発される事件が起こった。警察によると、この3人は2021年10月に塾で知り合い、それから約7カ月にわたりテレグラム上の別の麻薬グループから卸価格で覚醒剤を購入した上で中間販売業者に10倍の価格で転売していたという。警察はこの事件でこの10代3人を含む合計23人を検挙し、覚醒剤49グラム、ケタミン227グラム、エクスタシーとも呼ばれるMDMA140錠など末端価格で4億ウォン(約4200万円)相当の麻薬、さらに現金など約4800万ウォン(約510万円)相当の犯罪収益金を押収した。

 未成年者による麻薬犯罪が増加傾向にあることから、これらを未然に防止するため韓国法務部(省に相当、以下同じ)は若者の教育に特に力を入れたいとしている。未成年者を対象とした「出張法律教育講演」に麻薬犯罪を未然に防止するための内容を新たに加えるほか、教育部や女性家族部など他部処(省庁)との協力も拡大する方針だ。

イ・ヘイン記者、ソン・ウォンヒョン記者

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  • ▲昨年10月に警察が摘発した京畿道金浦市内のある倉庫。中は大麻を栽培する温室だった。/警察庁

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