【1月30日付社説】「司法の正義」を誰よりも叫んだ李在明代表の真逆の振る舞い

【1月30日付社説】「司法の正義」を誰よりも叫んだ李在明代表の真逆の振る舞い

 共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は28日、大庄洞・慰礼新都市開発優遇疑惑で検察による聴取を受けた後、「検察は真実究明のための捜査ではなく、起訴のためのでっち上げを行っている」と述べた。李代表は同日、事前に作成した供述書を検察に提出し、12時間以上行われた聴取では事実上黙秘権を行使したという。今月10日に行われた城南FC後援金疑惑をめぐる初回聴取時もそうだった。

【写真】ソウル中央地検に出頭した李在明代表

 初回聴取の際、民主党議員約40人を帯同して出頭した李代表は「2回目の聴取には弁護士だけが同行する」と予告していた。しかし、今回も民主党議員約20人が検察庁舎に出向き、李代表に声援を送った。聴取を終えた李代表は民主党議員らと握手を交わした。李代表が党役員に手渡したカスミソウを振ると、支持者は「李在明」を叫んで歓呼した。検察の聴取を受ける被疑者ではなく、選挙に出馬して勢いをアピールする候補の姿だった。

 週末の厳しい寒さの中でも、ソウルの都心で真っ二つに分かれた世論が衝突した。李代表が出頭した瑞草洞のソウル中央地検前では支持団体と批判団体が集会を開き、光化門一帯でも双方がにらみ合った。李代表の支持者は「李在明は国民が守る」というカードを持って行進し、批判者も負けずに「李在明逮捕」と叫んだ。チョ・グク事件の際、光化門と瑞草洞に分かれて国民が繰り広げた場外対決が繰り返されているのだ。

 民主党は検察が野党の代表に二度も出頭を要求したのは前例がないとし、野党弾圧だと主張している。民主党内の親李系(李代表の支持勢力)は李代表が起訴されたとしても、代表職に留まることには何の問題もないという立場だ。令状が交付されても「逮捕同意案を国会で当然否決する」との立場だ。

 捜査対象になった李代表の容疑は、いずれも前政権下で浮上したものだ。当時検察は政権与党の大統領選候補者による不正をもみ消したが、一歩遅れて捜査が始まったことになる。検察が複数の容疑で被疑者に数回出頭を求めるのは決して前例のないことではない。そんな被疑者が有力政党の代表に選出された前例がないにすぎない。犯罪の疑いだらけでも、党代表に選ばれれば捜査してはならないということか。朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領の弾劾局面で「大統領でも罪があれば刑務所に行くべきだ」と最初に最も大きな声で叫んだ人物が李代表だった。

 李代表は形式上出頭に応じているが、実質的には検察による捜査を認めない構えだ。どんな捜査結果が出たとしても、自分が代表を務める政党が国会で握る絶対多数議席と強硬支持者の場外集会を武器に持ちこたえると言っているように見える。三権分立を命とする民主主義体制で大統領に目指す人物が政治勢力の対決によって司法を押さえ付けようというのか。

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