軽油1.8万トンを北に密輸、韓国に帰化した元中国人逮捕

 公海上で180億ウォン(約19億円)相当の軽油をいわゆる「瀬取り」方式で北朝鮮に密輸したグループが韓国海洋警察に摘発された。西海地方海洋警察庁広域捜査隊は30日、政府の承認を得ずに北朝鮮に軽油1万8000トンの密輸したとして、南北交流協力に関する法律違反の疑いで石油ブローカーのL容疑者(52)を逮捕したと発表した。また、L容疑者の指示を受け、公海上で実際に軽油の運搬を担当した蔚山市の石油供給業者A社の社員2人を在宅起訴した。

 L容疑者らは2021年10月から昨年1月まで35回にわたり、軽油を北朝鮮に密輸した疑いが持たれている。L容疑者は21年9月、中国から韓国に帰化した。

 調べによると、容疑者らは統一部長官の承認を得ないまま、A社に所属するロシア船籍のタンカーに軽油を積んで韓国から出港し、南シナ海の公海上に待機していた中国船に軽油を積み替えた。その後、中国船は西海に移動し、それを北朝鮮船に積み替える方式で軽油を北朝鮮に密輸した。A社はロシアなどから輸入した軽油を韓国国内に保管し、外国に転売している。

 L容疑者は中国のモバイルメッセンジャー「ウィーチャット」を使い、中国船に北朝鮮船と接触する時間、場所を事前に知らせていた。

 海洋警察はL容疑者が帰化する前から北朝鮮に軽油を密輸する仲介役を務めていたとみて、捜査を拡大している。180億ウォンのうち、L容疑者が仲介手数料をいくら受け取ったのかも確認を進めている。海洋警察関係者は「関連証拠をさらに分析すれば、北朝鮮に密輸した軽油の量がさらに増える可能性もある。国内の他の業者でもこうした行為が行われているかどうか徹底的に捜査する」と話した。

チョ・ホンボク記者

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