李在明代表側は「既にインタビューで明らかにした通り、李代表にとってはよく覚えていないことであり、知人が電話を別人を電話に出すことは李代表のような有名政治家にはよくあることだ」と主張した。
【写真】2019年1月17日、中国・瀋陽で開かれた「韓国企業懇談会」に出席したキム・ソンテ元サンバンウル会長、李在明代表の側近・李華泳氏ら
検察は19年にキム元会長が計800万ドルを北朝鮮に送金したのは、李在明代表の訪朝など政治的目的だったとみて、捜査を進めている。特に李華泳元副知事を通じ、北朝鮮側に資金が渡ったことなどについて、李在明代表が報告を受けていたと疑っているもようだ。
李在明代表は19年5月、北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会の金英哲(キム・ヨンチョル)委員長に自分を含む京畿道経済視察団を北朝鮮に招待してほしいという書簡を送ったという。金英哲氏は10年、天安艦沈没事件、延坪島砲撃などを指揮した偵察総局長出身の人物だ。それから2カ月後、キム・ソンテ元会長がフィリピン・マニラでリ・ホナム氏と会い、「李代表の訪朝に協力してほしい」と300万ドルの提供を約束し、その後資金を北朝鮮側に送ったという。
検察は18年後半から京畿道が対北朝鮮事業を積極的に推進した背景に注目しているという。文在寅(ムン・ジェイン)政権は18年9月、南北首脳会談を推進するに当たり、当時の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長と崔文洵(チェ・ムンスン)江原道知事を訪朝リストに含めたのに対し、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事を除外した。直後の18年10月、当時の李華泳(イ・ファヨン)京畿道平和副知事が2回訪朝し、京畿道の北朝鮮との接触が本格化したという。
検察は李華泳元副知事がその後、キム元会長と接触し、京畿道の対北朝鮮事業への支援を要請したとみている。李元副知事は18年7月から昨年7月までサンバンウルから3億2000万ウォン相当の政治資金や賄賂を受け取ったとして起訴されている。李元副知事は11年からサンバンウルグループ顧問や社外取締役として活動するなど、キム元会長とは親しい間柄だという。
アジア太平洋交流協会のアン・ブス会長も当時、北朝鮮側関係者と接触するなど、京畿道の対北朝鮮交流事業推進に深く関与していたことが明らかになった。アン会長は19年3月、京畿道の対北朝鮮事業補助金7億6200万ウォン余りとサンバンウルなど企業から受け取った寄付金4億8000万ウォンを横領した疑いで昨年11月に起訴された。アン会長は18日、大統領選前の21年7月からアジア太平洋交流協会の役員、会員などを中心に李代表の大統領当選を目指す非公式組織をつくり活動したとして、公職選挙法違反の罪でも追起訴された。同組織は「李在明候補の圧倒的な大統領当選のために尽力する」などとする具体的な活動指針を共有していたことが判明した。
表泰俊(ピョ・テジュン)記者