「私が死んだら誰が葬儀に来るのか知りたかった」…ニセ葬儀を行ったブラジル人男性

 あるブラジル人男性がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に偽の訃報(ふほう)を掲載し、偽の葬儀を執り行ったことが分かった。

 英紙デイリー・メールやミラーなどが先月27日(現地時間)に伝えたところによると、この「偽葬儀騒動」の主人公はブラジル・パラナ州クリチバの冠婚葬祭司会・進行者バルタザール・レモスさん(60)だとのことだ。

 レモスさんは先月16日、自身がサンパウロのアルバート・アインシュタイン病院に入院したことを暗示する写真をSNS「フェイスブック」に掲載した。そしてその翌日、「悲しい午後になるころ、レモスはこの世を去った」という訃報を追加で投稿した。

 これがレモスさんの偽装だと気付かなかった親族や友人たちは大きな衝撃を受けた。彼らは、訃報を告げる投稿の下に「いったいどうしたんだ」などのコメントを書き込んだ。

 レモスさんはこうした知人たちのコメントにも反応を示さなかった。だが、さらに追加で「1月18日午後7時30分、クリチバ礼拝堂で葬儀が執り行われる」とだけ投稿した。

 レモスさんのおいはすぐに病院に駆けつけ、どういうことなのかと尋ねたという。しかし、実際にレモスさんが同病院に入院したことはなかったため、おいは病院職員から「何も記録がない」という回答しか得られなかった。

 葬儀当日、礼拝堂には親族や友人たちが集まった。礼拝が始まると、スピーカーを通してレモスさんの声が鳴り響いた。レモスさんは自身のこれまでの人生について語った。参列者たちはレモスさんが生前、葬儀のために録音したものだと思い込んだ。

 涙を流した参列者たちはその直後、驚がくした。死んだと思っていたレモスさんが姿を現したからだ。

 レモスさんは「私が死んだら葬儀に誰が来るのか知りたくて、このようなことをした」と説明した。だが、参列者たちの怒りは収まらなかった。彼らはレモスさんに向かって激怒し、「残酷な振る舞いだ」と声を荒らげた。葬儀が終わった後もレモスさんのフェイスブックには「なぜあんな愚かなことをしたのか」「なぜ死んだなんてウソがつけるのか」などのコメントが数十件寄せられた。

 レモスさんは現地メディアとのインタビューで、「5カ月前に思いついた」「本当に死んだように思わせようと、誰にも言わなかった」「ただ、誰が参列するか知りたかっただけだ」と語った。そして、「ほかの人々に迷惑をかけたり、傷付けたりする意図はなかった」としながらも、「心からおわびする」と謝罪した。

キム・ガヨン記者

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