【NEWSIS】中国の科学者がこれまで以上に大量の牛乳を生産できる「スーパー乳牛」3頭の複製に成功し、中国の酪農業界は輸入品種への依存度を下げる突破口を見いだした。CNNテレビが中国国営メディアを引用して1日(現地時間)に報じた。
3頭のクローン牛は春節(旧正月)前の数週間、北西農業科学技術大学の研究チームにより寧夏回族自治区で次々と複製された。中国国営の寧夏日報が伝えた。
この牛はオランダから持ち込まれたホルスタイン・フリーシアン種で、産乳量は年間18トン、生涯では100トンに上るという。これは2021年に米国の乳牛1頭による平均生産量の1.7倍に相当する。
最初に複製された子牛は重さ56.7キログラムと大きかったため、昨年12月30日に帝王切開手術で生まれた。地元当局者が技術日報に説明した内容として寧夏日報が伝えた。技術日報によると、科学者たちは生産性の高い牛の耳の細胞からクローン胚120個を作り、代理母牛に移植したという。
複製プロジェクトのリーダーを務めるJin Yaping氏は「スーパー乳牛の誕生は中国が経済的に実現可能な方法で最高の乳牛を保存可能にする画期的な出来事だ」と述べた。中国国営英字紙グローバル・タイムズが報じた。
Jin Yaping氏は「中国で生涯100トンの牛乳を生産できる牛は1万頭のうちわずか5頭と貴重な繁殖資源だが、識別が難しいため繁殖は簡単ではない」と説明した。
英字紙グローバル・タイムズによると、中国における乳牛の70%は海外から輸入されているという。Jin Yaping氏は「中国における海外乳牛への依存度と世界的サプライチェーン崩壊によるリスクを解決するため、今後2-3年かけて1000頭以上のスーパー乳牛を複製する計画だ」と述べた。
米国など多くの国では産乳量の増大や病気への耐性などの特徴を遺伝子プールに加えるため、従来の動物と複製動物の繁殖を行っている。中国はここ数年で動物複製の分野で多くの進展を成し遂げてきた。昨年は中国のある動物複製会社が世界で初めてホッキョクオオカミの複製に成功し、2017年には多くの国で牛を死なせてきた牛結核への抵抗力を持つ複製牛を生産した。
ユ・セジン記者