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「オタクアーティスト」と呼ばれる世界的なポップアーティスト・村上隆氏の個展が10年ぶりに韓国で開催されました。
未公開の初期の作品も公開されて注目を集めています。イ・ジョンミン記者が取材しました。
【TV朝鮮ニュース動画】「死ぬ前にいい作品が残れば」 …村上隆氏、10年ぶりに韓国で個展
(記者リポート)
黄金の炎に包まれた複数の頭蓋(ずがい)骨で欲望を表現した村上隆氏。うずまきのような目、壊れた顔の「TAN TAN BO」は混乱している私たちの意識です。
村上隆氏は日本の大震災や感染症の大流行を経験したことで、人間の無力さに向き合う芸術の役割に悩んでいます。
(村上隆氏 /アーティスト)
「東日本大震災が来てから、日本人である自分が(アーティストとして)災害と付き合わなければいけないという意味で、全世界的に生きている人たちが身近に死を感じるような(きっかけとなる)シーズンが来て…」
個展で初公開作10点をはじめ、絵画、大型彫刻、映像など170点余りを公開した村上隆氏にとって、製作期間だけで11年かかった「桜が満開になる時」のように、完ぺきな作品に仕上げるために小さな点を一つも妥協せずに作業するこだわりは、アーティストとしてのプライドです。
(村上隆氏)
「どの作品も、これでいいと思うまで、何があっても終わりと決めないことだ。アーティストとは何かと言ったら、時代を象徴する何かを作らなければいけない(使命感がある)」
韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』などを見て、自身の体をスキャンして作ったゾンビでは、現代人の悪魔性と生に対する執着を表現しました。
(村上隆氏)
「ゴッホにしてもゴヤにしても、死ぬ直前に脳みそが壊れていく時に作品を残していく。(私も)もう少し本当に壊れた時にいい作品が残ればいいなと思う」
アーティスト・村上隆氏の夢は、完全なる精神を失っていく中でも、道が残るいい作品を残すことです。
テレビ朝鮮のイ・ジョンミンがお伝えしました。
(2023年2月3日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)